ボーイズIIメン

ボーイズIIメン (Boyz II Men)

ボーイズIIメンは、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のR&Bボーカルグループです。1990年代に「エンド・オブ・ザ・ロード」などの数々の全米No.1ヒットを放ち、R&Bシーンを席巻しました。

グループの歴史

1985年、フィラデルフィアの高校で、ネイサン・モリス、マーク・ネルソン、ジョージ・バルディ、ジョン・ショート、マーガレット・ウォーカーによって結成されました。その後、メンバーの入れ替わりを経て、1988年にウォンヤ・モリス、マイケル・マッケリー、ショーン・ストックマンが加わり、グループ名をニュー・エディションの楽曲名から「BOYZ II MEN」と改名しました。1989年には、ベル・ビヴ・デヴォーのコンサートでアカペラを披露したことがきっかけで、契約を獲得しました。

2003年にマイケル・マッケリーが健康上の理由で脱退してからは、3人体制で活動を続けています。

現メンバー

ネイサン・モリス (Nathan Morris)
ウォンヤ・モリス (Wanya Morris)
ショーン・ストックマン (Shawn Stockman)

旧メンバー

マイケル・マッケリー (Michael McCary) (2003年脱退)
マーク・ネルソン (Marc Nelson) (デビュー前脱退)
ジョージ・バルディ (George Baldi III)

音楽性

ボーイズIIメンの音楽は、美しいバラードと卓越したアカペラハーモニーが特徴です。メンバー全員がリードボーカルを担当し、各々の個性を際立たせるスタイルを確立しました。ネイサン・モリスが低音とメインボーカル、ウォンヤ・モリスとショーン・ストックマンが高音部を担当しています。4人編成時代は、マイケル・マッケリーがバスパートを担っていました。

1990年代には、モータウン・レコードに所属し、数々の大ヒットを記録。特に1992年にリリースした「エンド・オブ・ザ・ロード」は、全米チャートで13週連続1位を獲得し、エルヴィス・プレスリーの記録を36年ぶりに塗り替えました。その後も、「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」や「ワン・スウィート・デイ」など、数々のNo.1ソングをリリースしています。ビルボードチャートの1位獲得週数の合計は50週に達し、これは史上4番目の記録です。

現在も3人編成で活動を続け、世界各国でツアーを行っています。最新アルバム『コライド』(Collide) は2014年にリリースされました。

デビューまで

1985年、ネイサン・モリスとマーク・ネルソンは、フィラデルフィアの高校で「ユニーク・アトラクション」というグループを結成しました。当初のメンバーには、ジョージ・バルディ、ジョン・ショーツ、マーガレット・ウォーカーもいました。1987年にウォンヤ・モリスが加わり、1988年にバルディ、ショーツ、マーガレットが卒業と同時にグループを離れました。その後、ショーン・ストックマンが加入し、さらにマイケル・マッケリーが加わってメンバーが固定されました。彼らは高校のバスルームで練習を重ね、そこでニュー・エディションの楽曲に影響を受け、グループ名を「ボーイズIIメン」に変更しました。

1989年、彼らはニュー・エディションの楽屋に飛び込み、アカペラを披露したことがきっかけで、マイケル・ビヴィンズに見出され、マネージメントとプロデュースを任されることになりました。しかし、その後、マーク・ネルソンがグループを脱退し、4人編成で活動を開始しました。

全盛期

1991年、モータウンからファーストアルバム『クーリーハイハーモニー』をリリース。このアルバムは、ニュー・ジャック・スウィングを取り入れたサウンドで、R&Bグループのスタイルを確立しました。メンバー全員がリードボーカルを務めるスタイルも特徴的でした。このアルバムからは、「モータウンフィリー」や「グッドバイ・トゥ・イエスタデイ」などのヒット曲が生まれました。

1992年には、映画『ブーメラン』のサウンドトラックに収録された「エンド・オブ・ザ・ロード」が大ヒット。全米チャートで13週連続1位を記録し、世界的なスターダムへと駆け上がりました。この曲の成功により、アルバム『クーリーハイハーモニー』は再リリースされました。

1994年には、アルバム『II』をリリース。このアルバムは、1200万枚以上を売り上げ、R&Bグループのアルバムとしては異例のベストセラーとなりました。「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」と「オン・ベンデッド・ニー」は、全米チャートで1位を獲得。ボーイズIIメンは、ビートルズ、エルビス・プレスリーに次いで、自らの楽曲で1位を更新した3組目のアーティストとなりました。

レコード会社との軋轢とメンバーの脱退

1997年、モータウンがリミックスアルバムをリリースしたことに対し、グループは反発。その後、レコード会社を立ち上げ、エピックレコードからサードアルバム『エヴォルーション』をリリースしました。しかし、このアルバムは前作ほどの成功を収めることができませんでした。また、メンバーの健康問題も重なり、グループは苦境に立たされました。

2000年にはユニバーサル・レコードからアルバム『ネイサン マイケル ショーン ウォンヤ』をリリースしますが、商業的な成功には結びつきませんでした。その後、ユニバーサルとの契約を終了し、2002年にアリスタ・レコードと契約。アルバム『フル・サークル』をリリースしましたが、2003年にマイケル・マッケリーが脱退し、アリスタとの契約も終了しました。

メンバー脱退後

2004年、ボーイズIIメンはオリジナルレーベルを立ち上げ、カバーアルバム『スローバック Vol.1』をリリース。その後もアルバム制作やツアー活動を続け、2007年にはモータウンのカバーアルバム『ヒッツヴィルUSA』を発表。2011年にはデビュー20周年を記念したアルバム『TWENTY』をリリースしました。

現在も3人体制で活動を続け、世界各国でツアーを行っています。最新アルバムは2014年リリースの『コライド』です。

音楽スタイルと影響

ボーイズIIメンの音楽は、アカペラハーモニーとR&Bを融合させた独特のスタイルが特徴です。彼らのスタイルは、R&Bの枠を超え、様々なジャンルの音楽を取り入れた「クロスオーバー」なものでした。特に1990年代のR&Bシーンに大きな影響を与え、そのスタイルは2000年代以降のポップチャートにおけるR&Bにも欠かせないものとなっています。彼らは、R&Bシーンの先駆者として、音楽史にその名を刻んでいます。

2012年1月5日、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに名を連ねました。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『クーリーハイハーモニー』 (Cooleyhighharmony) (1991年)
『レット・イット・スノウ』 (Christmas Interpretations) (1993年)
『2』 (II) (1994年)
『エヴォルーション』 (Evolution) (1997年)
『ネイザン・マイケル・ショーン・ウォンヤ』 (Nathan Michael Shawn Wanya) (2000年)
『フル・サークル』 (Full Circle) (2002年)
『スローバック Vol.1』 (Throwback, Vol. 1) (2004年)
『ザ・レメディ』 (The Remedy) (2006年)
『モータウン〜ヒッツヴィルUSA』 (Motown: A Journey Through Hitsville USA) (2007年)
『ラヴ』 (Love) (2009年)
『TWENTY』 (Twenty) (2011年)
『コライド』 (Collide) (2014年)
『アンダー・ザ・ストリートライト』 (Under the Streetlight) (2017年)

コンピレーション・アルバム

『リミックス・コレクション』 (The Remix Collection) (1995年、Motown)
『エクストラズ』 (Extras) (1996年、Motown)
『エンド・オブ・ザ・ロード〜ボーイズIIメン・バラード・コレクション』 (The Ballad Collection) (2000年、Universal)
『レガシー〜ボーイズIIメン・グレイテスト・ヒッツ』 (Legacy: The Greatest Hits Collection) (2001年、Universal、Motown、Chronicles)
20th Century Masters – The Millennium Collection: The Best of Boyz II Men (2003年、Motown)
『ダンス・コレクション』 (The Dance Collection) (2004年、Universal) ※日本独自企画盤
Best Selection (2009年、Motown)
『ウィンター/リフレクションズ』 (Winter/Reflections) (2005年、MSM/Urban)
The Best of Boyz II Men: Green Series (2005年)
『カヴァード - ウィンター』 (Covered: Winter) (2010年、MSM/Urban)
『エンド・オブ・ザ・ロード』 (End of the Road – The Collection) (2011年、Universal)
Icon (2013年、Motown)

主なシングル

「エンド・オブ・ザ・ロード」 - "End Of The Road" (1992年) ※全米13週連続1位
「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」 - "I'll Make Love To You" (1994年) ※全米14週連続1位
「ベンデッド・ニー」 - "On Bended Knee" (1994年) ※全米1位
「ワン・スウィート・デイ」 - "One Sweet Day" (1995年) ※全米16週連続1位。マライア・キャリーとのデュエット
「シーズンズ・オブ・ロンリネス」 - "4 Seasons Of Loneliness" (1997年) ※全米1位

来日公演

1994年から2014年にかけて、数多くの来日公演を行いました。特に2011年の20周年記念ツアーでは、東日本大震災の被災者支援にも尽力しました。

（具体的な公演日程は省略）

脚注

注釈
出典

外部リンク

* ボーイズ2メン公式サイト

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