ボーイフレンド (aikoの曲)

aiko「ボーイフレンド」：大ヒットシングルに隠された秘密と魅力

2000年9月20日、aikoのメジャー通算6枚目のシングル「ボーイフレンド」がポニーキャニオンよりリリースされました。前作「桜の時」から約7ヶ月ぶりのリリースとなった本作は、オリコン週間チャートでは2位を記録するも、デイリーチャートでは3度1位を獲得するという快挙を達成。aiko自身初のオリコンデイリーチャート1位獲得という大きな成功を収めました。

さらに、発売から12週目には累計売上50万枚を突破。これはaikoのシングル史上最大のセールスを記録する、まさに大ヒットと言える結果となりました。

このシングルの魅力は、その音楽性だけでなく、ジャケットや歌詞カードに隠された様々な仕掛けにもあります。初回限定盤はカラートレイ仕様となっており、歌詞カードには「歌う犬」「暴威不練怒（ぼういふれんど）」という謎めいた文字が書かれたバス停の写真が掲載されています。また、「茶髪厳禁」という看板も確認できます。通常盤の裏ジャケットにも同じバス停の写真が使われていますが、これらの文字はぼかされており、読めなくなっています。

このバス停の撮影地は、神奈川県三浦市の京急バス「剣崎小学校」バス停であることが判明しています。aikoのベストアルバム『まとめII』のブックレットにも同バス停が登場しますが、その際にはバス停の表示が「魔兎女（まとめ）」と変わっており、ファンを驚かせました。初回限定盤には帯がついているのに対し、通常盤は帯がなく、バーコードが裏面にシールで貼られているという違いも存在します。

発売当初はタイアップが無かったものの、後にブリヂストン・アルベルトのCMソングとして起用され、さらに知名度を高めました。「ボーイフレンド」は、aikoの紅白歌合戦初出場曲にもなっています。

サビの歌詞「あぁ テトラポット登って」は、消波ブロックの商標名である「テトラポッド」を、商標名ではない一般的な名称として使用しているため、特定商品の宣伝には当たらないと判断され、NHK紅白歌合戦でも歌詞の変更なく歌われました。このフレーズをもじった「テトラポット登」という芸名で活動する声優がいることも興味深いエピソードです。

「ボーイフレンド」は、aikoの3rdアルバム『夏服』と、ベストアルバム『まとめII』にも収録されています。カップリング曲の「密かなさよならの仕方」も『夏服』に収録されています。

シングルには、aikoが作詞作曲を手掛け、島田昌典が編曲を担当した「ボーイフレンド」、「密かなさよならの仕方」、「前ならえ。」、そして「ボーイフレンド（Instrumental version）」の計4曲が収録されています。

「ボーイフレンド」は、楽曲そのものの魅力に加え、ジャケットに隠された遊び心、紅白歌合戦出場、CMタイアップなど、多くのエピソードを持つaikoを代表するヒット曲と言えるでしょう。その背景を知れば知るほど、楽曲への理解が深まり、より一層楽しむことができるのではないでしょうか。

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