ボービントン戦車博物館

戦車博物館（The Tank Museum）

戦車博物館は、イギリスにおける重要な戦車の収蔵・展示施設です。ボービントンに位置し、26の国から約300両の戦車や戦闘車両を保有しているこの博物館は、世界最大規模のコレクションを誇ります。中には、稼働可能なティーガーI戦車や、第一次世界大戦時のイギリスのマークI戦車といった貴重な車両も含まれています。

博物館の位置と施設

博物館は、ドーセット州ボービントンにあるボービントン駐屯地に隣接し、ウール駅から約2.4kmの距離にあります。この駐屯地は、イギリス陸軍の戦車操縦や整備に関する訓練を行うための重要な場所でもあります。既存の展示スペースを活かしながら、2008年には新たな施設の拡張工事が完了し、観客により広い展示スペースを提供しています。

歴史背景

博物館の歴史は1916年にさかのぼります。イギリス陸軍省がボービントン・キャンプを戦車乗員の訓練施設として設立したのが始まりです。第一次世界大戦において、塹壕戦を克服するために初めて戦車が導入されます。1947年には、戦車コレクションが一般向けに開放され、以降も施設は長年にわたって拡張と更新を続けています。現在の戦車博物館は、単に物を見るだけでなく訪問者に教育の場を提供し、さまざまな事例を通じて戦争の歴史を理解する手助けをしています。

展示区画の紹介

博物館内には5つの主要な展示区画があり、それぞれ異なる時代やテーマに基づいています。

1. 第一次世界大戦館

このエリアでは、第一次世界大戦中のイギリス軍戦車の進化を追うことができ、特にリトル・ウィリーやマークVIII「リバティー」などが展示されています。特筆すべきは、まだ実働するマークV戦車が見られる点です。また、トーマス・エドワード・ローレンスの兵士時代のイラストも含まれています。

2. 大戦間ホール

ここでは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間における戦車設計の革新を取り上げています。様々な装甲車両が並び、急成長した戦車技術を示す貴重なコレクションです。

3. 第二次世界大戦館

この区画では、主要な国の戦車が展示されています。特にチュニジアで鹵獲された唯一の稼働可能なティーガーIが注目を集めています。多くの戦車が走行可能で、その中にはシャーマンDD戦車も含まれています。

4. タミヤホール

1991年にオープンしたこのホールは、リンリーの寄付を受けたもので、戦後の主力[[戦車]]が中心です。センチュリオン戦車やM60パットン戦車などが展示されています。

5. イギリス鉄鋼業館

センチュリオン戦車に焦点を当て、この戦車の戦歴や特性についての解説が行われています。近代の戦車開発における重要な役割を果たしてきた車両の歴史が語られています。

特別イベント：TIGER DAY

博物館では毎年1回、TIGER DAYというイベントが開催されます。この日はティーガーIをはじめとする多くの戦車が走行するデモンストレーションが行われ、訪問者はその迫力を間近に感じることができます。チケット購入はオンラインや電話などで事前に行う必要があり、プレミアムチケットも予約可能です。これに参加することで、普段見ることができない貴重な体験ができるのです。

戦車博物館は、戦車に関心のある人々や歴史愛好家、家族連れにとって、教育的で楽しめる場所として多くの人に支持されています。

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