ボー・デレク

ボー・デレク

アメリカ合衆国の女優、ボー・デレク（本名：メアリー・キャスリーン・コリンズ）は、1956年11月20日にカリフォルニア州ロングビーチで生まれました。彼女の父親は広告業界の重役、母親は有名な女優アン＝マーグレットのスタイリストという家庭環境でした。10代の頃からモデルとしての活動をスタートさせ、後に女優を志すようになります。

転機となったのは、タレント・エージェントの紹介を通じて、俳優であり映画監督のジョン・デレクと出会ったことです。1976年、当時10代後半だったボーは、30歳年上のジョン・デレクと結婚しました。そして、ブレイク・エドワーズ監督の1979年のヒット映画『テン』で、ダドリー・ムーア演じる主人公が理想とする「10点満点の美女」を演じ、その圧倒的な美しさで一躍世界の注目を集めることになります。この役によって彼女は広く知られる存在となりました。

結婚後は、夫であるジョン・デレクが監督を務める多くの作品に出演しました。しかし、これらの作品、特に『類猿人ターザン』や『ボレロ/愛欲の日々』といった作品は、物語の内容よりもボー・デレクの魅力的な容姿、特に肢体を強調するプロモーション色の強い傾向がある、と批評家からは指摘されることが多かったようです。彼女自身もこれらの作品の製作に携わっています。

批評的な評価としては、あまり芳しくない記録も残しています。その一つが、最低の映画や演技に贈られるゴールデンラズベリー賞です。ボー・デレクは、『類猿人ターザン』（1981年）、『ボレロ/愛欲の日々』（1984年）、『ゴースト・ラブ』（1990年）の3作品で、最低主演女優賞を3度も受賞しています。特に『ボレロ/愛欲の日々』は最低作品賞、『ゴースト・ラブ』は最低監督賞も受賞しており、これらの作品に対する厳しい評価がうかがえます。さらに、ラジー賞の10周年を記念して設けられた「1980年代最低女優賞」も受賞しており、1980年代における彼女の出演作が批評的に厳しい評価を受けることが多かったことを示しています。

私生活においては、1998年に夫であるジョン・デレクが亡くなった後、俳優のジョン・コーベットと交際を続けています。近年は、映画よりもテレビドラマシリーズなどへの出演が中心となっています。

主な出演作

『オルカ』（Orca, 1977年）
『テン』（10, 1979年）
『LOVEシーズン』（A Change of Seasons, 1980年）
『類猿人ターザン』（Tarzan The Ape Man, 1981年）- 兼製作
『ボレロ/愛欲の日々』（Bolero, 1984年）- 兼製作
『ゴースト・ラブ』（Ghosts Can't Do It, 1990年）- 兼製作
『クリス・ファーレイはトミーボーイ』（Tommy Boy, 1995年）
『変身パワーズ』（The Master of Disguise, 2002年）
『ファッション・ハウス』（Fashion House, 2006年）- テレビシリーズ
『CHUCK/チャック|CHUCK_チャック』ファイナルシーズン 第10話（Chuck, 2012年）- 本人役

ボー・デレクはその美貌で一世を風靡した一方で、出演作品は批評家の間で賛否が分かれ、ある種のアイコンとして語り継がれています。

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