ポスフール

北海道の総合スーパー、ポスフール：その歴史と変遷

ポスフールは、北海道でかつて存在した総合スーパーです。2002年から2011年までその名を轟かせましたが、現在はイオンへと統合され、その屋号は完全に消滅しています。本稿では、ポスフールの歴史、その前身となった企業群の歩み、そしてイオンとの統合に至るまでの過程を詳細に解説します。

草創期：複数の企業の統合

ポスフールの歴史は、昭和初期に北海道各地で創業した複数の小規模企業に遡ります。佐々木忠による洋品雑貨店、水上正勝の桐屋呉服店、高橋清の事業などがその始まりです。これらの企業は、1970年代にはニチイ・アライド・チェーン（NAC）に加盟し、ファミリーデパートとして店舗展開を始めました。

北峯百貨店からマイカル北海道へ：成長と上場

1980年代には、地場スーパー4社の経営統合により北峯百貨店が設立されました。その後、株式会社ホクホー、そして1996年にはマイカル北海道へと社名変更。1998年には東京証券取引所へ上場を果たし、規模を拡大していきました。

サティ業態への転換：生活百貨店戦略

マイカル北海道は、百貨店に近い性格を持つ「サティ」業態への転換を積極的に進めました。サティは、総合スーパーよりも洗練された商品構成とサービスを提供することで、顧客層の拡大を目指しました。釧路サティや千歳サティは年商100億円を突破するなど、大きな成功を収めました。この戦略により、マイカル北海道は北海道の小売業として初めて年商1000億円を突破します。

ポスフール：自主独立への挑戦

2001年、マイカルの経営破綻を受けて、マイカル北海道はマイカルグループから離脱し、社名を「ポスフール」に変更しました。自主独立経営を目指すポスフールは、生活百貨店としてのサティのコンセプトを引き継ぎながら事業を継続。しかし、人口減少や消費低迷などの影響を受け、業績は低迷。2005年には上場以来初の赤字に転落しました。

イオンとの統合：新たなステージへ

経営再建のため、ポスフールはイオンと資本・業務提携し、後に完全子会社化。2007年にはイオン北海道に商号変更しました。イオンとの統合により、物流コストの削減や商品調達力の強化などの効果が期待されました。しかし、それでも低迷する業績を立て直すことはできず、2011年、ついに全店舗がイオンに統合されました。ポスフールという名前は、歴史の幕を閉じました。

ポスフール店舗一覧と閉店店舗

ポスフールは、札幌、旭川、帯広、釧路、北見、小樽など、北海道各地に多くの店舗を展開していました。しかし、イオンとの統合後も、いくつかの店舗は閉店を余儀なくされました。閉店に至った店舗の多くは、競合店の出現や、立地の悪さ、売場面積の小ささなどの問題を抱えていました。

小樽ベイシティへの債権

マイカル北海道時代からポスフール時代にかけて、小樽ベイシティ開発に対して多額の債権を抱えていました。この債権の処理にも苦戦し、イオン北海道の経営に影響を与えたと言われています。

まとめ

ポスフールの歴史は、北海道の流通業界における激変を如実に反映しています。複数の企業の統合、サティ業態への転換、イオンとの統合など、様々な変化を経験しながら、常に時代の流れに対応しようと努力しました。ポスフールは消滅しましたが、その歴史は、北海道の商業史における貴重な一ページとして、長く記憶に刻まれることでしょう。

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