ポタラ宮

ポタラ宮：チベットの歴史と文化が息づく聖地

ポタラ宮は、チベットの中心地ラサのマルポリの丘の上にそびえ立つ、壮大な宮殿です。17世紀にチベット政府「ガンデンポタン」の本拠地として建設され、以来、チベット仏教と政治の中心として重要な役割を果たしてきました。その величественныйな姿は、世界遺産ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群の一つとして、また中国の5A級観光地としても、多くの人々を魅了しています。

建築の概要

ポタラ宮は、13階建て、総高117m、全長約400m、建築面積1万3000㎡という、世界最大級の建造物です。内部には数多くの壁画、霊塔、彫刻、塑像が所蔵されており、チベット芸術の宝庫とも呼ばれています。ポタラ宮という名前は、観音菩薩が住むとされる補陀落（ポータラカ）に由来します。

標高3,700mに位置するポタラ宮は、7世紀に吐蕃王朝のソンツェン・ガンポ王が築いた宮殿跡に、ダライ・ラマ5世が増築したものです。ダライ・ラマ5世は、自らの政権の権威を象徴するためにこの宮殿を建設したと言われています。2000以上もの部屋があると言われる宮殿は、政治空間である白宮と、宗教空間である紅宮の2つの領域に大きく分かれています。この構造は、聖俗両権を掌握するダライ・ラマ政権の性格を具現化したものと言えるでしょう。

現在、中国で発行されている50元紙幣の裏面には、ポタラ宮の図柄が採用されています。

白宮：政治の中心

白宮は、歴代ダライ・ラマの居住空間であり、政治的な執務が行われた場所です。ダライ・ラマが「世俗王」として権力を行使する場であり、1645年から8年の歳月をかけて建設されました。白宮と呼ばれるようになったのは、寺全体の外壁が白色に塗られているためです。

白宮の下層には、集団謁見などの場があり、高層には、白宮最大の建物である東大殿（ツォム・チェンシャル）があります。ここでは、ダライ・ラマの坐床式や親政大典など、政治的、宗教的に重要な儀式が執り行われてきました。最上層には、私的な謁見や寝室などの居住空間である「日光殿」があります。日光殿は南向きにガラス張りで、採光が良く、内部は宝石や豪華な調度品で飾られています。また、ラサ市街を一望できる広大なベランダも備えています。

紅宮：宗教の中心

白宮の西側に隣接する紅宮は、宗教的な領域です。チベット仏教の総師であるダライ・ラマが「祭司王」として権威を発揮する場であり、白宮と同様に外壁全体が赤く塗られています。紅宮は、日常的な機能をほとんど持たない聖なる空間であり、政権にとって最も重要な象徴性を帯びた場所です。

紅宮の中心には大集会場があり、その上部の吹き抜けを囲む回廊を介して各部屋が配置されています。集会室の西側には、3層吹き抜けの霊塔殿があり、ダライ・ラマ5世の霊塔をはじめとする多くの仏塔が安置されています。ダライ・ラマ5世の霊塔は、3724㎏もの金箔、1500個ものダイヤモンド、翡翠、瑪瑙などの宝石で装飾されています。霊塔殿の横には、700枚を超える壁画が描かれた西大殿（ツォク・チェンヌ）があります。これらの壁画は、当時のチベットの風物や人々の生活をリアルに描いたものです。

その後

ポタラ宮は、ダライ・ラマ5世以降も増改築が重ねられましたが、1959年のチベット動乱後、ダライ・ラマがインドへ亡命したため、主を失いました。その後、中国政府によって接収され、現在は博物館として公開されています。

現在、ポタラ宮内部は一部を除き非公開となっていますが、紅宮では歴代ダライ・ラマの玉座や霊塔などを見学することができます。屋上にも登ることができ、ラサ市街を一望できます。

伝説

ダライ・ラマ14世は、幼少期にポタラ宮でお化けをよく見かけたと語っています。

ポタラ宮は、チベットの歴史と文化を伝える貴重な遺産です。その壮麗な姿は、訪れる人々を魅了し続けています。

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