ポップコーン (兄妹デュオ)

ポップコーン

ポップコーンは、1970年代後半から1980年代にかけて活動した、日本の兄妹によるポップデュオです。大阪府出身の兄・加本ひろの（1963年2月8日生まれ、身長165cm）と、妹・加本あつの（1964年2月20日生まれ、身長155cm）の二人組で、共に堀越高等学校を卒業しています。

二人の音楽への関わりは幼少期に遡ります。母親が歌謡教室を開いていた影響もあり、兄妹は早い時期から歌に親しみました。小学生の頃には、すでに様々なアマチュアコンテストの舞台で経験を積んでいました。彼らのキャリアにおいて大きな転機となったのは、1978年に日本テレビ系列で放送されていた人気の歌手オーディション番組『スター誕生!』への出場です。ここで、当時ヒットしていた狩人の楽曲「あずさ2号」を歌唱し、見事に合格を果たします。この成功がきっかけとなり、大手芸能事務所サンミュージックにスカウトされ、プロの歌手としての道を歩み始めました。

1979年2月25日、ポップコーンはワーナー・パイオニア（現在のワーナーミュージック・ジャパン）のリプリーズレーベルより、シングル「ブルーロマンス薬局（ブルーロマンスファーマシー）」で正式にデビューを飾りました。この楽曲は、作詞を林春生、作曲・編曲を都倉俊一が手がけ、当時の日本テレビの子供向け番組『おはよう!こどもショー』内でも流され、注目を集めました。デビューに際しては、「軽くはじけるメルヘン・ポップ」という、彼らの若々しく明るいイメージを伝えるキャッチフレーズが付けられました。

デビューシングルに続き、同年6月25日にはセカンドシングル「フレー! フレー!」をリリースしました。この曲は、西ドイツの著名なディスコ音楽グループであるボニーMのヒット曲「Hooray! Hooray! It's A Holi-Holiday」を日本語でカバーしたものです。訳詞を杉山政美が、作曲をボニーMのプロデューサーであるFrank FarianとFred Jayが、編曲を高田弘が担当しました。この楽曲は、名古屋テレビの子供向け推理バラエティ番組『推理クイズ・マゴベエ探偵団』内で使用され、番組内の推理ドラマに出演した二人がラストで歌唱するなど、番組との連携も図られました。セカンドシングルのカップリング曲は、笠間ジュン作詞、佐々木勉作曲、高田弘編曲による「花にたとえれば」でした。

歌手として活動する中で、ポップコーンは様々なテレビ番組にも出演しました。主な出演番組には、『おはよう!こどもショー』（日本テレビ）、若者向けの音楽番組『レッツゴーヤング』（NHK総合）、人気バラエティ番組『8時だヨ!全員集合』（TBS）、そして同じく人気バラエティ番組『ドリフ大爆笑』（フジテレビ）などがあり、幅広い層にその存在を知られることとなりました。

ポップコーンとしての活動期間は比較的短かったものの、兄の加本ひろのはその後も音楽の世界で活動を続けました。解散後、彼は同期の歌手である東寿明らと共にバンド「Air」を結成し、数枚のシングル盤をリリースしました。さらに1980年代には、尾関昌也とのデュオ「Breakfast Club」を結成し、シングルとアルバムをそれぞれ発表するなど、積極的に音楽活動を展開しました。1990年代に入ると、「松本浩之介」という名義でアレンジャーとしても活動を開始。アイドルグループCHA-CHAや、かつて一世を風靡したシンシア（南沙織）などの楽曲のアレンジを手がけるなど、活動の幅を広げ、裏方としても日本の音楽シーンに貢献しました。妹のあつのの解散後の活動については、特筆すべき情報は伝えられていません。

ポップコーンは短期間の活動ながら、兄妹ならではのハーモニーとフレッシュな魅力で当時の音楽シーンに登場しました。特に兄のひろのは、その後も様々な形で音楽活動を継続し、アレンジャーとしても実績を残しており、その音楽的才能を発揮し続けました。

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