ポップ・ウィル・イート・イットセルフ

ポップ・ウィル・イート・イットセルフ (Pop Will Eat Itself)

ポップ・ウィル・イート・イットセルフ（略称：PWEI、別名：ポッピーズ）は、1986年にバーミンガム出身のメンバーによってウェスト・ミッドランズのスタウアブリッジで結成されたオルタナティヴ・ロックバンドです。彼らはデジタルビート、パンク・ロック、ラップ・ミュージックを融合させたデジロックの先駆者とされ、英国の音楽シーンにおいて重要な存在となりました。

バンドの歴史

バンドは、デジロックという新たな音楽ジャンルを確立し、後のEMFやジーザス・ジョーンズ、プロディジーなどのアーティストに影響を与えることになります。彼らは、5枚のスタジオアルバムをリリースした後、1996年に解散しました。その後、ベース担当のリチャード・マーチはビッグ・ビートのユニット、ベントレー・リズム・エースを結成し、他のメンバーはヴァイルイーヴルズというバンドを作りました。

ポップ・ウィル・イート・イットセルフは2005年に一時的な復活ライブを行い、2010年には新メンバーを迎え再結成します。特に、グラハム・クラブが中心となり活動を再開し、ファンに再びその音楽を届けました。

エピソード

このバンドは、同じバーミンガム出身のワンダー・スタッフやネッズ・アトミック・ダストビンと親しい関係にあり、音楽界においての相互作用もありました。ワンダー・スタッフのボーカリスト、マルク・トゥーリスはクリントとアダムとともに以前同じバンドに在籍していました。また、パブリック・エネミーの英国公演の前座を務めた際には、ヒップホップファンからのブーイングに見舞われたことがあるなど、波乱に満ちたエピソードも多く持っています。

1990年には日本へツアーを組みましたが、観客は少なく、1日で2本のライブを行ったことが後にシングルのタイトル名に影響を与えました。加えて、クリント・マンセルは雑誌のインタビューでトム・ウェイツについて言及し、その発言から殴り合いのケンカを起こしたこともあり、音楽業界の個性的エピソードを生み出しています。

メンバー構成

現メンバー

- グラハム・クラブ: ボーカル、ドラム、キーボード、プログラミング
- メアリー・バイカー: ボーカル、キーボード、プログラミング
- デイヴィー・ベネット: ギター、ベース
- リチャード・マーチ: ベース、ギター、キーボード、プログラミング
- アダム・モール: ギター、キーボード、プログラミング
- ファズ・タウンシェンド: ドラム、キーボード、プログラミング

旧メンバー

- クリント・マンセル: ボーカル、ベース、ギター、キーボード、プログラミング、サンプリング、ターンテーブル、ドラム
- ケリー・ハモンド: ギター
- ティム・マディマン: ギター、ベース、キーボード
- ジェイソン・ボウルド: ドラム、プログラミング

ディスコグラフィ

ポップ・ウィル・イート・イットセルフは多くのアルバムを発表しており、その中には以下のような作品があります。

- 『ボックス・フレンジー』 (1987年)
- 『ジス・イズ・ジス』 (1989年)
- 『ネ・ア・カ療法』 (1990年、通称『アロア』)
- 『ルックス、それともライフスタイル』 (1992年)
- 『ドス・ディドス・ミス・アミーゴ』 (1994年)

その後もリミックスアルバムやコンピレーションアルバムを発表し続け、長いキャリアを経て今なお多くのファンに愛されています。彼らの音楽は、新しい世代のアーティストたちにも影響を与え続けており、音楽の歴史の中で特別な存在として評価されています。

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