ポップ・クロニクルズ

ポップ・クロニクルズ (Pop Chronicles)

『ポップ・クロニクルズ』は、アメリカで制作されたラジオドキュメンタリーであり、1940年代から1960年代にかけてのポピュラー音楽を広く網羅した内容を特徴としています。この番組は、全体として「1940年代から1960年代のポピュラー音楽に関する最も詳細な音声記録」とも言えるもので、音楽ファンや研究者にとって貴重な資料となっています。

番組の概要

『ポップ・クロニクルズ』は、2シリーズから成り立っており、その両方のシリーズを制作したのがジョン・ギリランドという人物です。1950年代と1960年代を中心にしたシリーズは、モントレー・ポップ・フェスティバルに触発されて制作され、ロサンゼルスのラジオ局KRLAで初めて放送されました。具体的には、1969年2月9日にこのシリーズの初回放送が行われました。

ナレーションはギリランドが担当し、サイ・ホリデイとトム・ベックもその役割を果たしました。また、ディック・ラパームやルー・アーウィン、ハリー・シアラーといった音楽業界の著名人がインタビューを行い、リスナーに対して深い洞察を提供しました。また、この番組の特徴的なテーマ曲「The Chronicles of Pop」はレン・チャンドラーが作曲し、自ら演奏したものです。さらに、番組の音響を担当したのがチェスター・コールマンというエンジニアです。

当初、KRLAでは番組を毎週1時間放送していましたが、それが他のネットワークでも放送されるようになり、米軍のラジオ放送でも利用されるようになりました。特にロサンゼルスのFM局KLOSも、このシリーズを放送していたことが確認されています。

1940年代のシリーズ

『Pop Chronicles of the 1940s』のシリーズは、1972年にサンフランシスコのラジオ局KSFOで放送が始まり、続編はさらに1976年からスタートしました。このシリーズの宣伝にはユニオン・スクエアでのダンスイベントやジターバグコンテストが含まれ、その模様も放送されました。

また、1994年にはこの番組が編集され、4巻のカセットオーディオブックとして『Pop Chronicles the 40's: The Lively Story of Pop Music in the 40's』というタイトルで発売され、その後、タイトルが『The Big Band Chronicles』へと変更されました。番組制作後、ギリランドが亡くなった際、彼の姉妹から『ポップ・クロニクルズ』のテープが北テキサス大学に寄贈され、その大学には「ジョン・ギルランド・コレクション」が設けられました。

まとめ

『ポップ・クロニクルズ』は、ポピュラー音楽の歴史を深く掘り下げた素晴らしいラジオドキュメンタリーであり、アメリカ音楽の重要な一部を形成しています。その内容は今日でも多くの人々に愛され、音楽研究の貴重な資料となっています。1940年代から1960年代の音楽を深く知りたい方にとって、このシリーズはぜひともリスニングをお勧めしたい資料です。

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