ポツダム広場駅

ポツダム広場駅

ドイツの首都ベルリン中心部、ミッテ区に位置するポツダム広場駅（正式名称：Bahnhof Berlin Potsdamer Platz）は、ベルリンにおける重要な交通拠点の一つです。この駅は、その名の通りポツダム広場全体の地下に設けられた地下駅であり、広場の再生と現代的な都市空間の核を担っています。

駅には多様な鉄道ネットワークが乗り入れています。地域鉄道であるレギオナルバーン、特にベルリン市内を南北に縦断する長距離路線が利用できます。また、都市高速鉄道システムであるSバーンの1号線、2号線、25号線も停車し、市内各方面へのアクセスを提供しています。さらに、ベルリン地下鉄Uバーンの2号線もこの駅を経由しており、地上交通と合わせて多層的な公共交通網の中心を形成しています。

歴史

現在のポツダム広場駅がある場所には、かつて「ポツダム駅」（Potsdamer Bahnhof）と呼ばれる地上駅が存在していました。この旧駅は、ベルリンからポツダム方面への重要な鉄道路線のターミナルとして機能していましたが、第二次世界大戦末期の激しい戦闘により甚大な損傷を受け、終戦直後の1945年9月にはその役割を終え、閉鎖されました。その後、地上の駅舎や線路は撤去され、この一帯は一時的に空白地帯となりました。

冷戦時代、ベルリンは東西に分断され、特に1961年にベルリンの壁が建設されると、交通網も大きな影響を受けました。現在のポツダム広場駅地下を通るSバーンの南北トンネルは、東西ベルリンの境界線、すなわち壁の真下に位置していました。このため、Sバーンの駅は壁建設と同時に閉鎖され、東ベルリン側を走る列車は停車することなく駅を通過するのみとなりました。列車は目の前を通過するものの、降車することも乗車することもできないこの閉鎖された駅は、当時の人々から「幽霊駅」（Geisterbahnhof）と呼ばれるようになりました。この幽霊駅としての状態は、ベルリンの壁が崩壊する1989年まで、およそ28年間にわたって続きました。

東西ドイツ再統一後、かつてのポツダム広場一帯はベルリン最大の再開発地区として生まれ変わることになります。これに伴い、地下に新しい鉄道駅を建設する大規模なプロジェクトが始まりました。旧Sバーン駅の施設は近代的な地下駅として再建・拡張され、さらにレギオナルバーンの新しい地下線が建設されて乗り入れることになりました。1990年代に入ってから工事が進められ、現在のポツダム広場駅が完成し、再び交通結節点としての機能を取り戻しました。

駅周辺

ポツダム広場駅は、戦後の再開発により劇的に変貌を遂げたポツダム広場地区の中心に位置しています。駅の地上に出ると、モダンな高層ビルが立ち並ぶ活気ある都市空間が広がっています。

ポツダム広場: 駅名の由来ともなった広場自体が、現代ベルリンを象徴する場所の一つです。ショッピング、飲食、エンターテイメント施設が集積しています。
ソニーセンター: ガラスと鉄骨で構成されたドーム型の屋根が特徴的な複合施設です。映画館やレストラン、オフィスなどが入居しており、この地区のランドマークとなっています。
* ベルリン・フィルハーモニー: 世界的に有名なベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地であるコンサートホールも、駅から徒歩圏内にあります。音楽愛好家にとっては重要な文化施設です。

これらの主要施設に加え、多くのホテルやオフィスビル、住居などが周辺に集中しており、ポツダム広場駅はこれらの施設へのアクセス拠点として、またベルリン市内外を結ぶ交通の要として、現代のベルリンにおいて極めて重要な役割を担っています。

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