ポメーツィア

ポメーツィア（Pomezia）は、イタリア共和国ラツィオ州ローマ県に位置するコムーネ（基礎自治体）であり、約64,000人の人口を抱える都市です。

歴史

ポメーツィアの都市としての歴史は、1930年代にムッソリーニ政権下で行われたポンティーナ湿地帯の干拓事業に深く根ざしています。この干拓事業によって新たに建設された都市であり、その歴史は比較的浅いと言えるでしょう。

しかし、ポメーツィアには古代ローマ時代の歴史も存在します。分離集落であるプラティカ・ディ・マーレは、古代ローマ時代の港湾都市ラウィニウムの跡地に位置しており、古代から人が住んでいた地域であることがわかります。

名称の由来

ポメーツィアという地名は、ローマ前史・王政ローマ時代以前に栄えた国家『ラティウム』(Latium vetus) の都市の一つであった『スエッサ・ポメティア』(Suessa Pometia)に由来するとされています。この地域には古代民族であるウォルスキ族やラテン人が居住していたと考えられていますが、諸説あります。

また、「ポメーツィア」という名前は、果物の街を意味する「Città dei Pomi」と関連付けられ、ローマ神話の果物の女神ポモーナ (Pomona) が市の紋章に採用されています。一般的には、この女神が市名の由来であると考えられています。

興味深いことに、当初、市名候補として「アウソニア」Ausoniaが挙がっていました。ポメーツィアが自治体として成立するまではアウソニア市として想定されていたものの、建設作業開始前にポメーツィアへと変更された経緯があります。

地理

ポメーツィア市は、ローマ県南部の旧ポンティーナ湿地帯に位置し、アグロ・ロマーノと呼ばれる地域に属しています。ティレニア海とローマ南東の丘陵地帯カステッリ・ロマーニを望むことができる場所です。

ポメーツィア市北西の海岸部は、カステル・ポルツィアーノ大統領官邸の広大な領地に隣接する自然保護区となっています。また、市の東部には、地域自然保護区であるRiserva Naturale Regionale Sughereta di Pomeziaがあります。このように、ポメーツィアは豊かな自然に恵まれた地域と言えるでしょう。

隣接するコムーネとしては、アルデーアとローマが挙げられます。

気候と地震

ポメーツィアの気候は、イタリアの気候分類で zona D に分類され、度日は1536 GGです。また、地震リスク階級では zona 2B (sismicità media) に分類され、中程度の地震リスクがある地域とされています。

行政

ポメーツィアには、以下の多くの分離集落（フラツィオーネ）が存在します。

Borgo Santa Rita, Campo Ascolano, Campobello, Campo Jemini, Campo Selva, Castagnetta, Cinque Poderi, Colli di Enea, Macchiozza, Maggiona, Martin Pescatore, Nuova Lavinium (ex zona 167), Parco della Minerva, Pratica di Mare, Querceto, San Pancrazio, Santa Palomba, Santa Procula, Sedici Pini, Solforata, Torvaianica, Torvaianica Alta, Viceré, Villaggio Laurentum, Villaggio Tognazzi

姉妹都市

ポメーツィアは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

Itápolis（ブラジル）
ジンゲン（ドイツ）
* チャナッカレ（トルコ）

ポメーツィアは、古代からの歴史と自然に恵まれた地域であり、多くの分離集落や姉妹都市とのつながりを持つ、魅力的な都市です。

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