ポラック (潜水艦)

アメリカ海軍潜水艦「ポラック」(USS Pollack, SS-180)

「ポラック」は、アメリカ海軍のポーパス級潜水艦の一隻で、艦名はタラ科の魚であるポラックに由来します。後に同名の原子力潜水艦も就役しています。

艦歴

1935年10月1日にメイン州のポーツマス海軍造船所で起工され、1937年1月15日に就役しました。就役後、カリブ海での調整訓練を経て、カリフォルニア州サンディエゴを母港として活動。1939年10月には真珠湾に移動し、太平洋戦争開戦までハワイ海域で活動しました。

太平洋戦争

真珠湾攻撃時はサンフランシスコからハワイへ航行中であり、2日後に真珠湾に入港しました。

第1～3回哨戒 (1941年12月～1942年6月)

最初の哨戒では、日本近海に展開し、戦時中、最初に日本海域に到着したアメリカ海軍艦艇となりました。この哨戒で貨客船、特設砲艦、特設給炭船を攻撃し、特設給炭船「第一雲海丸」を撃沈しました。これは太平洋艦隊潜水艦部隊による公式に確認された初の撃沈戦果となりました。さらに、貨物船「帝安丸」も撃沈しています。

2回目の哨戒では、台湾海峡および東シナ海方面で活動し、貨物船「福州丸」を撃沈し、陸軍船「ばいかる丸」に損傷を与えました。

3回目の哨戒では、日本の本州沖で巡航し、特設監視艇と砲戦を行い、撃沈しました。また、別の特設監視艇も撃沈しました。この哨戒の帰路にはミッドウェー海戦に参加しています。

第4～6回哨戒 (1942年10月～1943年4月)

4回目の哨戒ではトラック諸島方面に向かいましたが、敵艦との接触はありませんでした。

5回目の哨戒では日本近海で輸送船「玄山丸」を撃沈。しかし、陸軍輸送船「崎戸丸」への攻撃は失敗に終わりました。

6回目の哨戒では、ギルバート諸島およびマーシャル諸島方面で活動し、複数の貨物船を攻撃、撃沈したと判断されています。

第7～8回哨戒 (1943年5月～9月)

7回目の哨戒では、マーシャル諸島方面で特設砲艦「光島丸」と特設巡洋艦「盤谷丸」を撃沈。「盤谷丸」攻撃時には護衛の駆逐艦から爆雷攻撃を受け、損傷しました。

8回目の哨戒では、九州東方沖で輸送船団を攻撃し、陸軍船「太福丸」を撃沈。さらに、三宅島近海で特設給炭油船「田子の浦丸」を撃沈しました。

第9～11回哨戒 (1944年2月～9月)

9回目の哨戒では、小笠原諸島方面で特設駆潜艇「白鷹丸」と第54号駆潜艇を撃沈。また、陸軍船「東征丸」も撃沈しました。

10回目の哨戒では、父島近海で駆逐艦「朝凪」を撃沈。その後、輸送船団を攻撃しましたが、反撃を受けました。

11回目の哨戒は、カロリン諸島方面での航空部隊支援任務が中心で、ファイス島のリン酸塩生産施設を砲撃しました。この哨戒が「ポラック」にとって最後の哨戒となりました。

訓練艦、そして退役

ブリスベンで修理後、真珠湾に戻り、第一線を退いてオアフ島沖で太平洋艦隊駆逐艦部隊と共に訓練に従事しました。その後、東海岸へ移動し、潜水学校生徒の訓練艦として活動。1945年9月21日に退役し、1947年にスクラップとして売却されました。

戦績

「ポラック」は、第二次世界大戦の戦功で10個の従軍星章を受章しました。

参考文献

(Issuu) SS-180, USS POLLACK. Historic Naval Ships Association.
アジア歴史資料センター（公式）（防衛省防衛研究所）
Roscoe, Theodore. United States Submarine Operetions in World War II.
財団法人海上労働協会（編）『復刻版 日本商船隊戦時遭難史』
防衛研究所戦史室編『戦史叢書62 中部太平洋方面海軍作戦（2）昭和十七年六月以降』
Blair,Jr, Clay (1975). Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan.
駒宮真七郎『戦時輸送船団史』
木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』
野間恒、山田廸生『世界の艦船別冊 日本の客船1 1868～1945』
Friedman, Norman (1995). U.S. Submarines Through 1945: An Illustrated Design History.
林寛司（作表）、戦前船舶研究会（資料提供）『戦前船舶 第104号・特設艦船原簿/日本海軍徴用船舶原簿』
野間恒『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』

外部リンク

history.navy.mil: USS Pollack - ウェイバックマシン（2004年3月14日アーカイブ分）
navsource.org: USS Pollack
* hazegray.org: USS Pollack

この記事には、アメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章が含まれています。

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