ポラック・ミハーリ

ポラック・ミハーリー（Pollack Mihály, 1773年8月30日 - 1855年1月5日）は、ハンガリーにおける新古典主義建築の重要な担い手として知られる建築家です。彼の作品は、当時の建築様式の変化を色濃く反映しています。

1773年、ポラックはオーストリアのウィーンで誕生しました。建築家としての道を歩み始めたのは、異母兄弟であるレオポルト・ポラックの影響が大きかったと言えるでしょう。1793年または1794年、彼はミラノへ移り、レオポルトのもとで建築の知識と技術を磨きました。1798年にはペシュト（現在のブダペストの一部）へ拠点を移し、1808年頃から都市の美観形成に貢献し始めます。当初は住宅設計を手がけていましたが、1810年から1830年にかけては宮殿や公共施設など、より大規模なプロジェクトにも携わるようになりました。

彼の代表作の一つであるルードヴィカ軍事アカデミーは、元々ブラチスラヴァにありましたが、1827年にペシュトへ移転することになりました。これに伴い、ポラックは1830年から1836年にかけて、アカデミーの新たな建物の設計を担当しました。この建築物は、彼の設計様式がバロック様式から新古典主義へと移行していく過程を示す好例と言えるでしょう。

ポラックの建築様式は、初期にはバロック様式の影響が見られましたが、次第に新古典主義へと移行していきました。新古典主義は、古代ギリシャやローマの建築様式を参考に、均整の取れた美しいプロポーションや装飾を重視するスタイルです。ポラックは、この様式をハンガリーの建築界に導入し、発展させる上で大きな役割を果たしました。

ポラック・ミハーリーは1855年、ペシュトで81歳で生涯を閉じました。彼の作品は、現在もハンガリーの各地に残っており、その美しい姿は多くの人々を魅了し続けています。ハンガリー国立博物館をはじめとする彼の建築物は、ハンガリーの文化遺産として大切に保存されており、後世に語り継がれています。

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