ポリティコ

ポリティコ（Politico）について

ポリティコは、アメリカの政治に特化したニュースメディアとして広く知られています。主にワシントンD.C.に焦点を当て、議会やホワイトハウス、ロビー活動、そして報道機関の動きを取材し、様々なプラットフォームを通じてその情報を発信しています。

歴史的背景

ポリティコは2007年に、ワシントン・ポストの記者であるジョン・F・ハリーズとジム・バンデヘイによって設立されました。創設時のCEOには、アルブリトン・コミュニケーションズの社長であるフレッド・ライアンが指名されました。この設立時期は、ソーシャルメディアが隆盛し始め、政治関連のニュースサイトが急速に成長していた時期でもあります。

特に2008年のアメリカ合衆国大統領選挙期間中には、ポリティコの人気が急上昇し、既存の大手新聞のウェブ版と同等の地位を確立しました。リーマン・ショックによる経済不況が襲っていた時期であったため、アメリカの伝統的な新聞社はリストラを進める一方で、政治報道の需要は変わらず高かったため、ポリティコは通信社的な役割を果たすことでその存在感を強めました。

成長と進化

設立当初の社員数は60人でしたが、2009年には100人を超えるチームに成長しました。その頃の売上高は約1500万ドルに達し、主にフリーペーパーからの収入が大きな要因でした。2010年にはロバート・アルブリトンがCEOに就任し、2012年には政治系ニュースサイトとしての勢いがさらに加速し、ピューリッツァー賞を受賞するに至りました。

2013年には、ニューヨークやフロリダ、ニュージャージーに支局を持つ「キャピタル・ニューヨーク」を買収し、さらなる拡大を図りました。加えて、ベルギーのブリュッセルに子会社を設立し、ヨーロッパ版ポリティコの展開も果たしました。

メディアシフトと課題

2015年以降、ニュースメディア業界では読者のモバイル利用が進む中でも、ポリティコの読者層は比較的中高年に偏っており、時代の変化に適応できていないとの指摘がされることもあります。また、2016年には社内のリーダーシップに関する対立が起こり、創業者が退社する結果となりました。

化石燃料業界との関係

最近の調査では、ポリティコが化石燃料業界からの広告を受け入れているメディアの一つであることが判明しました。これは、ポリティコの気候変動報道の信頼性に影響を及ぼす可能性があり、国際連合の事務総長からも問題視されています。

配信と影響力

ポリティコは現在、約500人のスタッフを擁し、ワシントンD.C.、ニューヨーク、そしてブリュッセルに取材拠点を持ちます。毎月、約3000の記事を制作し、多くの読者に配信しています。特に人気の高い朝のコラム「プレイブック」には10万人以上の登録者がいます。さらに、フリーペーパーやオンラインマガジンなど、様々な形式で情報を届けています。

ポリティコは、全米のみならず、欧州版の展開を通じて国際的な視点でも影響力を持っています。読者層は幅広く、政治に対して関心を持つ多くの人々にとって重要な情報源となっていることは間違いありません。

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