ポリャーネ族 (東)

ポリャーネ族は、6世紀から9世紀にかけて存在した東スラヴ人の部族であり、『ルーシ年代記』にのみ記録が残されています。彼らは現在のウクライナ北部、ドニプロ川の右岸、キエフを中心とした地域に居住していました。この地域は、東はシヴェーリア族、南はウーリチ族、西はティーヴェル族とドレヴリャーネ族、北はドレゲーヴィチ族といった他の東スラヴ部族と接していました。

『ルーシ年代記』の伝説によれば、ポリャーネ族はドナウ川からドニプロ川へと移住してきたとされています。新たな地で、彼らはルーシという共同体を組織したと考えられています。年代記の中では、彼らはしばしばキエフ人、もしくはルーシ人と呼ばれています。

しかし、ポリャーネ族は10世紀の前には歴史から姿を消してしまいます。彼らに該当すると考えられる考古学的な文化は、現在も特定されていません。彼らの起源、文化、そして衰退の理由は、依然として謎に包まれています。

ポリャーネ族に関する情報

名前の由来: 「野原の人々」を意味する言葉に由来すると考えられています。
主な居住地: ドニプロ川右岸、キエフ周辺。
周辺部族: シヴェーリア族、ウーリチ族、ティーヴェル族、ドレヴリャーネ族、ドレゲーヴィチ族など。
記録: 『ルーシ年代記』にのみ登場。
活動: ルーシ共同体の組織に関わったとされる。
消滅: 10世紀以前。
考古学的文化: 未特定。

ポリャーネ族の研究は、東スラヴ民族の形成過程、初期のルーシ国家の成立、そして中世初期の東ヨーロッパの歴史を解明する上で重要な手がかりとなると考えられています。今後の考古学的発見や文献研究の進展が期待されます。

参考文献

Рыбаков Б.А. Поляне и северяне (к вопросу о размещении летописных племен на Среднем Днепре // Советская этнография. — т.7-8. — Москва-Ленинград, 1947.
Хабургаев Г.А. Этнонимия "Повести временных лет" в связи с задачами реконструкции восточнославянского глоттогенеза. — Москва, 1979.
Седов В.В. Славяне: Историко-археологическое исследование. — Москва, 2002.
* Толочко О. Поляни // Енциклопедія історії України. — Київ : Наукова думка, 2011. — Т.8. — С.411.

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