ポリ・ジャズ

ポリ・ジャズは、フィンランド西部の沿岸都市ポリで、毎年7月に開催される大規模な国際ジャズ・フェスティバルです。1966年の初開催以来、ヨーロッパで最も歴史と知名度のあるジャズ・フェスティバルのひとつとして、半世紀以上にわたり音楽ファンを魅了し続けています。

歴史

1966年7月、キルジュリンルオト島で2日間の日程で開催されたのが、ポリ・ジャズの始まりでした。当初は1,500人ほどの観客でしたが、年々その規模は拡大し、開催期間も延長されていきました。1985年以降は9日間開催となり、観客動員数は5万人から6万人に増加。1990年代初頭には10万人を超え、21世紀に入ってからは、毎年夏に12万人から16万人が訪れるほどの人気イベントへと成長しました。
2014年には第49回、2015年には50周年を迎え、現在ではフィンランド最大級の夏のイベントとして、その名を知られています。

特徴

当初はアコースティック・ジャズが中心でしたが、時代とともにエレクトリック・ジャズ、ブルース、ソウル、ファンク、ヒップホップ、キューバ音楽、ブラジル音楽など、多様な音楽ジャンルを取り入れるようになりました。現在では、世界的に有名なベテランアーティストから、新進気鋭のスターまで、多彩なミュージシャンが出演しています。また、プログラムの約70％は入場無料となっており、気軽に音楽を楽しめるのも魅力の一つです。
ポリ・ジャズは、音楽、人々、質の高いサービス、そしてユニークな環境が織りなす特別な雰囲気で、多くの来場者から高く評価されています。毎年夏にこのフェスティバルを体験したいというリピーターも少なくありません。9日間の開催期間中、11の会場で100を超えるコンサートが行われます。また、子供向けのポリ・ジャズ・キッズ・フェスティバルも開催され、家族連れでも楽しめます。

会場

メイン会場となるキルジュリンルオト・アリーナは、コンサート専用に建設されたフィンランド唯一の野外コンサートパークです。円形劇場のような構造で、コンサートエリアは5ヘクタール、キャンプエリアは22ヘクタールという広大な敷地を誇ります。メイン会場への入場にはチケットが必要ですが、ポリ中心部のコケマエンヨキ川沿いには「ジャズ・ストリート」が設けられ、小規模な音楽イベントやクラブ、屋台料理のレストランやバーなどが立ち並びます。ジャズ・ストリートでの屋外音楽イベントは無料ですが、クラブでのイベントは有料となる場合があります。

出演者

これまでに、トーリ・エイモス、カイリー・ミノーグ、アート・ブレイキー、ジェームス・ブラウン、フィル・コリンズ、チック・コリア、マイルス・デイヴィス、アリシア・キーズ、ポール・サイモン、ジャミロクワイ、メイシー・グレイ、メアリー・J・ブライジ、エリカ・バドゥ、ポール・アンカ、カニエ・ウェスト、スティングなど、数多くの世界的なミュージシャンが出演しています。また、フィンランドをはじめとする様々な国の、まだ知られていないグループも出演し、新たな才能の発掘にも貢献しています。

ポリ・ジャズは、ジャズ、ブルース、ソウル、ファンク、ヒップホップ、アフロ・キューバン、ワールドミュージックなど、幅広いジャンルの音楽を提供し、時にはポップ・ミュージックも演奏されます。音楽ファンであれば、きっとお気に入りのアーティストや音楽に出会えるはずです。

ポリ・ジャズは、フィンランドを代表する夏の音楽イベントとして、これからも多くの人々に感動と興奮を届けてくれることでしょう。

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