ポルシェ・ケイマン

ポルシェ ケイマン (Cayman)

ケイマンは、ドイツの自動車メーカーであるポルシェが生産する2人乗りのスポーツカーです。オープンカーのボクスター（987型）を基にしたクーペモデルとして登場したこの車は、その名がアリゲーター類の一種である「ケイマン」に由来しています。ボクスターと共通のトランスミッションやサスペンションなど、多くの部品を共有することにより、効率的にパフォーマンスを向上させています。

初代 987型 (2005年 - 2012年)

初代ケイマンは、ボクスターとほぼ同一のフロントデザインを持ちながら、細かな外装の変更により差別化を図っています。クローズドボディ形式に変わったことで、曲げ剛性はボクスターの約2倍に達し、911 (997型)に対してもわずか5%の劣位に抑える設計がされています。リアはハッチバック構造となっており、約260Lのラゲッジ容量を持つトランクが特徴です。これはボクスターのトランク容量に加え、エンジンの上部スペースを活用することで実現されています。

搭載されるエンジンはミッドシップに配置された水平対向6気筒で、ボクスターのエンジンブロックをベースに3,387ccまでボアアップされ、911 (997型)のシリンダーヘッドとクランクケースが組み合わされています。このエンジンには、初めて可変バルブタイミング機能である「バリオカムプラス」が搭載されており、ボクスターSと比較しても高性能を誇ります。最高出力は295PS、0-100km/h加速は6速マニュアルで5.4秒を記録します。

ブレーキシステムは前318mmと後299mmのディスクを備え、各ホイールには対向4ポットキャリパーが装着されています。タイヤサイズは前235/35、後265/40mmを選定し、運転性能を高めています。

マイナーチェンジとモデル展開

2008年にはビッグマイナーチェンジが行われ、新設計の直噴エンジンが搭載され、エアインテークデザインやテールライトなどが改良されました。また、ケイマンモデルには2,687ccのエンジンを搭載するベースグレードも新たに加わりました。

2代目 981型 (2012年 - 2016年)

第二世代のケイマン981型は、2012年11月にロサンゼルスモーターショーで発表され、よりスポーティな外観と機能を持っています。エンジンは最高278PSまたは329PSの2モデルがラインナップされており、トランスミッションは6速MTまたは7速PDKから選べます。

ケイマンGTSとケイマンGT4

ケイマンGTSは340PSのエンジンを搭載しており、パフォーマンスを重視した仕様となっています。スポーツクロノパッケージや20インチホイールも標準装備されています。さらに、ケイマンGT4は385PSのエンジンを搭載し、エクステリアには専用デザインのウイングが装備されるなど、サーキット走行を意識したモデルです。

3代目 982型 718ケイマン (2016年 - )

2016年には新モデル718ケイマンが発表され、従来の6気筒自然吸気エンジンからターボエンジンに変更されました。718という名称は、1957年の4気筒ミッドシップレーシングカーに由来し、より進化した性能を持つスポーツカーとして位置づけられています。

以上のように、ケイマンはその技術とデザインの革新により、ポルシェの中でも特に魅力的なスポーツカーモデルとして人気を誇っています。

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