ポルシェ・ボクスター

ボクスター（Boxster）

ボクスターは、ドイツの名門自動車メーカー、ポルシェが製造・販売しているオープンカーで、ミッドシップレイアウトを採用しているのが特徴です。1996年から生産が始まり、そのスタイリッシュなデザインとスポーティな性能から、多くの自動車愛好家の支持を集めています。名の由来は、ポルシェ特有の水平対向エンジンを指す「ボクサー」とオープンカーの「ロードスター」を組み合わせたものです。

概要

ボクスターは、ポルシェのエントリーモデルであり、他のモデルと比べて若干力を抑えたエンジン出力が特徴です。この立ち位置により、ポルシェの性能を広く体感できるモデルとなっています。また、ボクスターは911シリーズとは異なるフロントエンジン方式を捨て、914から続くミッドシップ配置が実現されています。このミッドシップレイアウトは、車両の重心が低く、走行安定性が向上する効果があります。

ボクスターは、2005年にドイツの技術検査協会（TüV）による調査で、故障率が2.6%とされ、非常に信頼性の高い車として認識されました。日本国内では、996型911と共にポルシェジャパン設立後、初めて取り扱われたモデルです。

初代986型（1996年 - 2004年）

初代986型ボクスターは、1993年のデトロイトオートショーで発表されたコンセプトカーが原型となっており、実際の市販モデルは1996年に登場しました。986型は996型911と多くのパーツを共用しており、前方の構造が共通化されていますが、サイズ感は異なります。全長や全高が微妙に小さく、ホイールベースが長めという独特のスタイルを持っています。

このモデルは、軽量化に力を入れながらも、剛性を高める設計がされています。特に、ボディのねじれ剛性は、ソフトトップを開けた状態でも高く評価されるほど。また、空気抵抗の低減やリアスポイラーの搭載など、空力性能も重視されています。

986型ボクスターは、前後にトランクルームを備え、合計260Lの収納容量を持っています。また、エンジンはドライサンプ潤滑方式を採用しており、ハイパフォーマンスを実現しています。

年表

• - 1996年: 初代986型ボクスターが発売され、2,480ccエンジンが搭載されました。最高出力は204PS。グレードはベーシック、コンフォート、スポーツの3種類が用意されました。
• - 1997年: 需要に応じて生産能力を高めるため、フィンランドでの組み立てが開始されました。
• - 2000年: エンジンのストロークが拡大され、最高出力は220PSに向上しました。この年からボクスターSもラインナップに加わりました。

2代目987型（2004年 - 2012年）

987型は、997型911と同じプラットフォームを共有し、性能やデザインにおいて多くの改善がなされています。この世代からPSM（ポルシェ・スタビリティ・マネージメント）が標準装備として採用され、走行性能がさらに向上しています。

• - 2004年: 新型987型ボクスターが登場し、パワーのアップグレードが行われました。
• - 2007年: バリオカムプラスの採用により、さらなるパフォーマンス向上が達成されました。

3代目981型（2012年 - 2016年）

次世代981型では、軽量化と剛性向上に大きく焦点が当てられ、エンジンラインナップの変更も行われました。ボクスターGTSなど、パフォーマンスを重視したバリエーションも登場します。

4代目718ボクスター（2016年 - 現在）

718ボクスターでは、エンジンが水平対向4気筒ターボになり、298馬力と350馬力の2系統が提供されます。このモデルは、伝統あるボクスターシリーズの新たな足取りとなっています。

ボクスターは、スポーティさと美しいデザインを兼ね備えたポルシェの象徴として、今もなお多くの支持を集めています。

もう一度検索