ポルシェ・914

ポルシェ・914について

ポルシェ・914は、1967年のフランクフルトショーで初めてお披露目され、1969年から製造・販売が開始された注目のスポーツカーです。この車両は、ポルシェとフォルクスワーゲンの共同プロジェクトによって生み出され、エントリーモデルとして多くの若者にアクセス可能な価格帯で提供されました。ポルシェの高級モデルである911に代わって、新しい顧客層にポルシェ文化を広める役割を果たしました。

ポルシェ・914は、特にフォルクスワーゲンの既存部品を活用することで製造コストを低下させており、1970年には16,231台が生産され、以降も1971年には21,440台、1972年には27,660台と、911の生産台数を大きく上回る結果を記録しました。914はその後、1976年に生産を終了し、ポルシェのミッドシップモデルは一時途絶えることになりましたが、1996年にボクスターが登場するまでの間、多くのファンに愛され続けました。

デザインと技術

914はポルシェらしい走行性能を保ちつつ、フォルクスワーゲンの部品を利用した設計が施されています。エンジンはすべて空冷式の水平対向エンジンを採用しており、911とは逆のミッドシップレイアウトを採用し、重心を中央に集めることで運動性能を向上させています。このレイアウトにより、ドライバーに優れた操作性をもたらしました。

サスペンションは911から流用されたフロントのストラット式と、タイプ4用のトレーリングアーム式が採用されており、リアにはポルシェの量産車として初となるコイルスプリングが使われています。このように、914は既存のパーツを可能な限り活用しながらも、走行性能には妥協のない設計がなされています。

バリエーション

914には、複数のモデルがラインナップされました。当初はフォルクスワーゲン・タイプ4の1,679ccエンジンを搭載した914と、ポルシェ911Tの1,991ccエンジンを搭載した914/6が販売されました。1972年には914 2.0が登場し、日本市場でも人気を博しました。

特に914Sは、914 2.0にスタビライザーとアルミホイールを装備したモデルとして注目されました。一方、1975年からはバンパーにラバーコートが施されたデザインに変更され、さらなる人気を得ることとなります。また、911シリーズのエンジンを搭載した希少な916や、特注の914-8など、特殊なモデルも存在しました。

モータースポーツへの挑戦

914は、その性能を活かしてモータースポーツにも参戦しました。特にラリー・モンテカルロにおいては1971年にポルシェワークスが914/6を投入しましたが、競技の厳しさから再び911に戻ることとなりました。このように、ポルシェは914を通じてスポーツカーとしての評価を確立する道を模索していきました。

外部の反応とスタイリング

業界内では914のスタイリングについての意見もあり、著名なデザイナーたちが自らの手による改良案を披露する場面もありました。これにより、914のデザインは他の自動車とは異なる独自の地位を持つことになったのです。

終わりに

ポルシェ・914は、ポルシェとフォルクスワーゲンの協力によって誕生した車両で、多くの人々にスポーツカーの魅力を届ける役割を果たしました。その性能やデザインは、今もなお自動車愛好家の間で語り継がれており、ポルシェの歴史の中で重要な存在であることは間違いありません。

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