ポンサクレック・ウォンジョンカム

ポンサクレック・ウォンジョンカムの軌跡

ポンサクレック・ウォンジョンカム（本名：ポンサコン・ウォンジョンカム）は、1977年8月11日にタイのナコーンラーチャシーマー県で生まれた元プロボクサーであり、ムエタイ選手でもあります。彼はWBC世界フライ級で2度の王座を獲得し、特にフライ級において日本人選手を苦しめたことで知られ、多くの試合での成功を収めました。

幼少期からのキャリア

ポンサクレックは幼少期からムエタイを始めましたが、プロとしてはあまり良い戦績を残せませんでした。彼は42戦28勝13敗1分という成績でしたが、主にパンチでの勝利が多かったことから、プロモーターのアドバイスに従いボクシングへ転向しました。

プロボクシングデビュー

彼のプロボクシングデビューは1994年12月21日で、フィリピンのベルナルド・ダバロスを相手にして2回KO勝ちを収めました。デビュー以降は快進撃を続け、7連続KOを達成しましたが、1995年2月22日に初めての敗北を喫します。この敗北を経て、彼は再戦で見事なKO勝ちを収め、早くも頭角を現します。

世界王座獲得

2001年3月2日、ポンサクレックはWBC世界フライ級王者マルコム・ツニャカオに挑戦し、初回TKOで勝利。王座を獲得します。その後も彼は数度の防衛戦を経て、2006年6月30日にはエベラルド・モラレスを相手に勝利し、15度目の防衛を達成。この試合は彼にとって特に記念すべきものであり、ミゲル・カントの持つ連続防衛記録を更新しました。

日本での試合とその功績

ポンサクレックは多くの日本人ボクサーと対戦し、14戦で11勝1敗2引き分けの成績を残しました。浅井勇登、内藤大助、中沼、亀田興毅など、著名な選手たちを相手に勝利を挙げており、長らく「日本人キラー」としての地位を確立しました。

王座陥落と再起

彼のキャリアは19度目の防衛に挑戦するところで崩れることとなります。2007年に内藤大助との対戦で判定負けを喫し、王座を失いました。その後は一度引退を表明しますが、2013年に現役復帰。当初のムエタイのキャリアを活かしたボクシングスタイルで再び挑戦を続けました。

引退後の生活

近年、ポンサクレックはシンガポールの格闘技ジムでトレーナーとして活動しています。ボクシング時代にはプロモーターからの搾取も経験しており、一時は過去の記録に対する無力感を抱いていましたが、現在はトレーナーとして若い選手たちに指導する立場に立っています。

まとめ

ポンサクレック・ウォンジョンカムのキャリアは、困難と成功が交錯したものです。彼はボクシング界において多くの伝説を残し、現在でもボクシングに対する情熱を持ち続けています。彼の軌跡は、競技者としての精神と挑戦の象徴として語り継がれることでしょう。

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