ポンメルン (戦艦)

ポンメルン (SMS Pommern)

ポンメルンはドイツ帝国海軍に所属していた前弩級戦艦で、ドイッチュラント級に属していました。この艦の名称はプロイセンのポンメルン州に由来しています。

艦歴

ポンメルンは1904年3月にシュテッティン・フルカン造船所で起工され、1905年12月2日に進水、1907年8月6日に就役しました。しかしその時期には既に弩級戦艦の時代が到来しており、就役した時にはすでに現役艦艇としての価値は低下していました。

第一次世界大戦

第一次世界大戦が勃発するや、ポンメルンは戦争の初期2年間、大洋艦隊に所属しました。開戦時、彼女はイギリスの襲撃に備えてエルベ川河口に配備されました。その後、1916年4月24日と25日には、第1偵察群の巡洋戦艦を支援するために弩級戦艦部隊に加わりました。この任務は、イギリス沿岸への攻撃を目的としていました。

巡洋戦艦ザイドリッツが機雷で損傷し、任務を続行できなかったため、ポンメルンは他の艦と共に砲撃を行ったものの、視界が悪く目標の確認はできませんでした。

ユトランド沖海戦

その後、ラインハルト・シェア提督は北海への出撃を計画しますが、ザイドリッツの損傷が影響し、作戦は延期されます。ポンメルンは第2戦艦戦隊に所属し、戦隊の指揮官もフランツ・マウフェ少将に変わりました。艦隊が北に進撃する際、シェア提督は全速でイギリスの第5戦艦戦隊を追撃するよう命じましたが、ポンメルンを含むドイッチュラント級艦艇はその高速戦艦に追従できず、遅れをとってしまいました。

海戦初日、苦境に立たされていた第1偵察群の巡洋戦艦がイギリス軍に追撃を受ける中、ポンメルンを含む艦艇たちはその救援に向かいました。しかし、暗闇の中で敵艦を発見することはできませんでした。ポンメルンの同型艦が砲撃を行うも、その効果は限定的でした。イギリスの巡洋戦艦からの攻撃がポンメルンに命中し、艦は戦列から脱落する結果となりました。

6月1日、ポンメルンにイギリスの駆逐艦オンスロートが魚雷攻撃を仕掛け、1本または2本の魚雷が命中したことで艦の17cm砲弾薬庫が爆発し、大きな損傷を受けました。最終的に艦は二つに折れ、後部部分は転覆してしまいました。乗員839人は全てが命を落としました。

1957年には残骸が引き上げられ、艦首の装飾はドイツ海軍記念館に展示されています。

参考文献

• - John Campbell (1998). Jutland: An Analysis of the Fighting. London: Conway Maritime Press.
• - Charles London (2000). Jutland 1916: Clash of the Dreadnoughts. Oxford: Osprey Publishing.
• - Gary Staff (2010). German Battleships: 1914–1918 (1). Oxford: Osprey Books.
• - V. E. Tarrant (1995). Jutland: The German Perspective. London: Cassell Military Paperbacks.

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