ポートハドソンの包囲戦

ポートハドソンの包囲戦

ポートハドソンの包囲戦は、南北戦争期間中の1863年5月21日から7月9日にかけて、ルイジアナ州のポートハドソンにおいて北軍と南軍の間で展開された戦闘です。この戦いは、北軍のナサニエル・バンクス少将が指揮する軍が、ユリシーズ・グラント中将のビックスバーグの包囲戦と連携しながら行われました。

背景

南北戦争が1861年に勃発した際、両軍はミシシッピ川の支配を戦略的に重視しました。南軍はこの川を物資輸送の重要な経路として使用したいと考えていましたが、北軍はその供給路を断つことで、アメリカ連合国を二分することを目指していました。特にレッド川河口を含むミシシッピ川上流は南部にとって重要な地点とされました。1862年春には北軍がニューオーリンズとメンフィスを掌握し、川の中流域の支配を計画していました。これに伴い、南軍の要塞であるビックスバーグとポートハドソンが占領対象となったのです。

包囲戦の経過

1863年5月、北軍は南軍の支配下にあるミシシッピ川流域の南端に向けて攻撃を開始しました。バンクス少将は5月21日、ポートハドソンで南軍と接触し、5月23日にはその勢力を増強して守備隊を取り囲みました。ポートハドソンの守備隊はおよそ7,500名で、指揮官はフランクリン・ガードナー少将でした。彼は長期間守備を続けて敵の動向を阻むことを目指しました。

1863年5月27日、北軍はポートハドソンに対し突撃を仕掛けましたが、攻撃は混乱をきたし、守備隊に容易に撃退されました。この初回の攻撃で、アフリカ系アメリカ人の兵士アンドレ・カイユーが戦死し、彼の勇気は後に兵士募集の際の象徴となりました。さらに、6月14日にも北軍は再度攻撃を試みましたが、同様に苦杯を嘗め、大きな死傷者を出しました。

北軍の攻撃が失敗を繰り返す中、南軍は彼らが築き上げた防御陣を活かして持ちこたえました。ミシシッピ川の地域において南軍は重要な位置を占めていたため、北軍は包囲戦に入らざるを得ませんでした。

結末と影響

包囲戦は48日間にわたり続きました。7月初め、南軍は占有していた物資をほぼ使い果たし、戦闘や病気による兵士の減少が深刻化しました。ガードナー少将はビックスバーグの陥落を受けて、自らの軍の降伏を決意し、7月9日に降伏の交渉が行われました。これにより、南軍は武器を置き、戦闘は終了しました。

ポートハドソンの包囲戦の結果、北軍はミシシッピ川の全面的な支配を達成し、アーカンソー州やテキサス州といった南軍の領土を分断しました。この戦いは両軍に多くの損失をもたらし、北軍は約1万人、南軍も約750名が戦闘や病気で命を落としました。戦後、少数の兵士がその勇敢な行動により名誉勲章を授与されました。この包囲戦は南北戦争における重要な転換点となり、影響を与えました。

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