ポーランド軍

ポーランド共和国軍の概要

ポーランド共和国軍（ポーランド語: Siły Zbrojne Rzeczypospolitej Polskiej, SZ RP）は、ポーランドの国軍であり、国の防衛と安全保障を担っています。2019年の時点で、正規軍の総人員はおよそ11万人を有し、これに対する軍事費は約118億ドルとなっており、これは国内総生産（GDP）の約2.0%に相当します。また、軍の標語は「神、名誉、祖国」（Bóg, Honor, Ojczyzna）であり、公式の軍歌は『我ら第1旅団』（My, Pierwsza Brygada）です。

概要

ポーランド共和国は、東欧革命後の1999年に北大西洋条約機構（NATO）に加盟しました。これにより、アメリカ合衆国を始めとするNATOの加盟国と連携した集団安全保障を国防の核としています。ポーランド軍は、NATOや欧州連合（EU）加盟国として、国外での活動にも積極的に関与しており、2000人以上の兵士がアフガニスタンやコソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナなどに派遣されています。さらに、ポーランド国内には同盟国の派遣軍や合同部隊が駐留しており、特にロシア連邦に対する警戒が強化されています。アメリカ軍は2019年時点で4500人の兵力を配備しており、さらに増員が計画されています。

ポーランドの歴史的な脈絡としては、隣国ドイツやロシア連邦の前身であるソビエト連邦からの侵略がありました。このため、特に21世紀においては、ロシアからの脅威から自国および同盟国を守ることが国防政策の基本となっています。特に2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、ポーランドはウクライナ軍への軍事支援の拠点としても機能し、NATOの同盟国であるバルト三国との連携が一層重要視されています。

機構

ポーランド軍は、以下の5つの軍種から構成されています：

1. ポーランド陸軍（Wojska Lądowe）
2. ポーランド空軍（Siły Powietrzne）
3. ポーランド海軍（Marynarka Wojenna）
4. ポーランド特別軍（Wojska Specjalne）
5. ポーランド領土防衛軍（Wojska Obrony Terytorialnej）

徴兵制度は2009年に廃止され、代わりに志願制となっています。

民兵について

2017年には、通常の職に就く国民によって構成された「領土防衛軍（WOT）」が設立され、2019年にはその人数が約2万3000人でしたが、2021年末までに5万3000人への増強が計画され、多くの市民が志願を表明しました。これは、隣国ウクライナにおけるハイブリッド戦争の影響を強く受けた結果であります。また、政府の許可を得て民間人に対して軍事訓練を行う組織も多く存在しています。

統制機関

ポーランド軍は、国防省が軍政を担当し、参謀本部が軍令を執行しています。

歴史

ポーランドは近世初期まで東欧の大国としての地位を有していましたが、ポーランド分割により一時姿を消しました。第一次世界大戦後にポーランド第二共和国が樹立され、国軍が復活したものの、ナチス・ドイツやソビエト連邦による侵攻によって再び滅びます。国外に逃れたポーランド人は軍隊を組織し、対独戦を続けました。独ソ戦末期にはソ連軍によって占領され、ポーランドはソ連圏の一部としてワルシャワ条約機構に加盟しました。冷戦期のポーランドの国軍については「ポーランド人民共和国」や「人民軍」などの関連情報を参照することができます。

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