軍歌

軍歌とは

軍歌は、兵士たちが行軍しながら歌う楽曲で、特に明治以降の日本では、軍隊の士気を鼓舞し、戦意を高めるために創作されました。また、戦友の死を悼む曲も軍歌の一部とされています。

概要

多くの軍歌は、行進中に士気を高めたり、歩調を揃えたりするために伴奏なしで歌われることが一般的です。曲調や歌詞の多くは民謡、俗謡、宗教歌、さらには学生[[歌]]からの引用が見られ、映画[[音楽]]が軍歌としてアレンジされることもありました。近代以降では、人民と国家元首の結びつきに注目した作品や、ナショナリズム、社会主義、共産主義など特定のイデオロギーに基づく楽曲が現れてきました。

世界の軍歌

フランスの国[[歌]]「ラ・マルセイエーズ」は、もともとフランス革命の際に創作された軍歌であり、アイルランドの「兵士の歌」やインドネシアの「インドネシア・ラヤ」といった軍歌も独立運動の象徴となっています。このように、軍歌の中には国[[歌]]としての役割を果たしているものが多く見られます。

日本における軍歌の歴史

日本の軍歌は、明治初年にさかのぼります。「トンヤレ節」が初の軍歌とされ、官製による民謡調が特徴のものでした。1869年には、海軍儀制曲である「海ゆかば」が制作され、後に多くの軍歌が生まれる基盤となりました。1882年には「抜刀隊」が発表され、国民の心を一つにすることを目的とした楽曲が登場しました。

日清戦争

1894年の日清戦争が勃発すると、軍歌は国民的なエンターテインメントとして広まり、新聞社が軍歌の公募を行いました。このような背景から、軍歌はより広く一般に知られるようになりました。戦況を題材とした具体的な歌詞が目立つようになり、戦闘での功績を称える楽曲が増加しました。

日露戦争

1904年の日露戦争では、国民の間に強い対抗感情があり、楽曲が次々と作られました。この時期の軍歌は、ニュース的な特徴を持つものであったが、特定の軍人に焦点を当てた作品が好まれました。

大正時代

大正時代には、大規模な戦争がなく、オリジナルの軍歌は減少しましたが、既存の曲に歌詞を当てはめた替え[[歌]]が盛んに製作されました。

日中戦争期

1932年に爆弾三勇士の顕彰歌が大量生産され、次第に多くの軍歌がリリースされましたが、国内のクーデターを賛美する歌も現れ、その結果検閲が強まることとなりました。

太平洋戦争期

太平洋戦争の開始後、大量の軍歌が制作されました。1942年以降、「海行かば」が国民の歌に選ばれるなど、軍歌は国民運動の一環としての役割を持つようになりました。

軍歌の終焉

1945年に終戦を迎え、その後軍歌はGHQによって禁止されました。この影響で新たな作品が制作されることはほとんどありませんでした。日本の自衛隊では、旧軍時代の軍歌が今でも使用され、多くの曲が公式の場で演奏されているため、軍歌は過去と現在をつなぐ重要な役割を担っています。

自衛隊歌

自衛隊では、公式に『陸軍分列行進曲』や『軍艦行進曲』などの過去の軍歌を演奏することが一般的です。新たに制作された隊歌は、各自衛隊での行事で歌われることが多いです。

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