ポール・クルックス

ポール・クルックスのキャリアと業績

ポール・クルックスは1960年にイギリスで生まれ、レーシングカーエンジニアとしてのキャリアを築いてきました。彼のエンジニアリングの教育は、1977年から始まります。ファーンボローに位置する王立航空研究所（RAE）で航空エンジニアの見習いとしてスタートしたクルックスは、英国の航空技術の中心地であるこの研究所で学び、成長しました。

RAEでは、ロールス・ロイスのジェットエンジンに超音速能力を付与するプロジェクトに参加しました。この技術は後に、コンコルドに搭載されることになります。1982年には22歳でRAEに正式に採用され、航空宇宙プロジェクトでディテールデザイナーとして活躍しました。

1986年、クルックスはトールマン（後のベネトン、ルノー）にディテールデザイナーとして加入し、その後の6年間でチーフコンポジットデザインエンジニアに昇格しました。この期間中、彼はロリー・バーンの下で働き、F1チームの設計に携わることになります。1990年末には、バーンがレイナードのF1プロジェクトに関わる際に、クルックスも同行しています。

1988年末、フランスのリジェチームはチーム再建のために新しい技術チームを求めており、クルックスはコンポジットデザイン部門の責任者として迎え入れられました。1992年シーズンにはリジェ・JS37の設計を担当し、その後1993年に同チームのチーフデザイナーに就任します。しかし、チームの運営に問題が生じ、急激な衰退を迎えることになります。

その後、ニック・ワースからシムテック・リサーチのチーフデザイナーとしてのオファーを受け入れることになり、有望だったシムテックS941とS951を設計しましたが、チームの資金不足と事故の影響で、その成果を充分に発揮できずに終わります。

1997年、TWRがリジェから撤退した際、クルックスは再び移籍市場に出されましたが、ジョーダンからのオファーを受け入れ、シルバーストンでチームの設計責任者となります。その後、B・A・Rに移籍し、イタリアのミナルディに短期間在籍しました。最終的に、彼はワース・リサーチでAcura ARX-01a、ARX-01b、ARX-02aを設計したことで知られています。

クルックスのキャリアは、彼の豊富な経験と技術的専門知識を基にしたものであり、F1業界に多大な影響を与えてきました。多彩なチームでの経験を通じて、彼はレーシングカーエンジニアとしての地位を確立し続けています。

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