ポール・ラマディエ

ポール・ラマディエ：フランス第四共和制の首相と「ILOの父」

ポール・ラマディエ（1888年3月17日 – 1961年10月14日）は、フランスの政治家であり、フランス第三・第四共和制における主要な左翼政治家の一人です。国際労働運動に大きな影響を与え、「ILOの父」として知られています。1947年には首相を務めました。

生涯

ラマディエはラ・ロシェルで生まれ、1919年にはアヴェロン県ドカーズヴィルの市長に就任しました。その後、国民議会議員に選出されます。

1940年7月10日、ヴィシーで開催された国民議会で、フィリップ・ペタン元帥への全権委任に反対票を投じました。第二次世界大戦中はレジスタンス運動に参加。戦後、イスラエルのホロコースト博物館であるヤド・ヴァシェムにその名が刻まれ、「諸国民の中の正義の人」の称号を贈られています。

首相として

第二次世界大戦後の1947年1月22日、レオン・ブルムの後を受けて閣僚評議会議長（首相）に就任しました。当初、内閣にはフランス共産党も参加していましたが、5月には共産党閣僚が閣外に出ることになり、（旧）フランス社会党（SFIO）、国民共和運動（人民共和運動、MRP） 、共産党の三党蜜月は終わりを迎えました。また、首相時代にはマーシャル・プランの受け入れを決定しました。

対外的には強硬な姿勢を示し、1947年2月13日にはベトナム民主共和国を相手にせずという政府声明を発表しました。フランス領であったマダガスカル島で暴動が起こると、これを武力で鎮圧し、8万人の死者を出す事態となりました。

日本との関係

日本との関係では、1951年（昭和26年）に日本がILO（国際労働機関）に復帰する際、「われわれはこの放蕩息子（日本のこと）の帰宅を迎えようではないか、そして全く違った経験を経てきた日本が、最もよき経験はその社会福祉をより高い段階に尊くことにあると将来認めるであろうことを希望する」と演説し、日本復帰反対論を抑えたというエピソードがあります。

ポール・ラマディエは、フランスの政治史において重要な役割を果たした人物であり、その功績は今日でも語り継がれています。

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