マアジ

マアジについて

概要

マアジ（学名：Trachurus japonicus）は、アジ目アジ科に属し、北西太平洋の沿岸に広く分布する海水魚で、日本では特に重要な食用魚とされています。一般的に「アジ」と言うと、このマアジを指すことがほとんどです。

特徴

成魚の全長は最大で50cmに達しますが、実際には30cm前後のものが主に漁獲されます。体型は紡錘形でやや側扁しており、頭部が体高よりも長くなっています。側線は体の中ほどで下方に湾曲し、背鰭から尾にかけて直線が走っています。側線上には69〜73個の棘状の鱗が並んでおり、見た目が特徴的です。また、口内には細い歯があり、体の色は背側が緑黒色、腹側が銀白色であり、中央に金色の帯があります。

居つき型のマアジは浅海の岩礁に定着しており、全体的に黄色味が強く、体高が高いことが特徴です。一方、回遊型は外洋を移動し、前後に細長い体型をしています。地域によっては、居つき型を「キンアジ」、回遊型を「ノドグロ」や「クロアジ」と呼ぶこともあります。

生態

マアジは北海道から南シナ海に至る地域に生息しており、特に日本海や東シナ海ではその個体数が豊富です。それぞれの地域に特有の系群が存在し、遺伝的・形態的な違いが見られることが確認されています。回遊型は群れをなして中層や底層を泳ぎ、季節に応じた大規模な移動を行います。一方、居つき型は定住性が強く、移動はあまり行いません。彼らの食事は肉食で、動物プランクトンや他の小魚、甲殻類などを捕食します。

産卵期は地域によって異なり、例えば東シナ海では1月ごろですが、北海道では8月となります。産卵数は個体の大きさによって異なり、20cm級の雌からは10万〜30万の卵が産まれ、34cm以上だと36万〜56万に達することもあります。卵は分離浮性で、仔魚は約40時間後に孵化します。幼魚は流れ藻に付くことがあり、内湾の浅い海でも見られます。

名称

マアジはその漁獲が多く重要な魚であるため「真」と名付けられています。地方名も多数存在し、例えば「アヅ」や「メダマ」、「ノドクロ」などがあります。また、関アジなど特定地域での商標名も耳にします。

利用

日本において、マアジは多様な調理法で楽しまれており、季節を問わず漁獲されていますが、特に夏が旬とされています。身はピンク色で、肉は白身魚と赤身魚の間に位置し、青魚としてカテゴライズされます。調理方法は唐揚げ、南蛮漬け、フライ、刺身、干物、寿司に至るまで多岐にわたります。特に小型のものは唐揚げにされることが多いです。

釣り

マアジは釣りの対象としても人気があり、特に中型や小型はコマセを使用してサビキで狙うことが一般的です。近年、夜釣りも盛んで、集魚灯の近くに集まるため、容易に釣ることができます。釣る際の道具は釣り竿やリール、仕掛けなどが必要です。また、地域によっては様々な釣り方が取り入れられています。

まとめ

マアジは日本の海で非常に親しまれている魚であり、漁業や釣り、料理の面からも私たちの生活に深く根ざしています。その生態的特徴や調理法の多様性は、マアジが広く愛されている理由の一つと言えるでしょう。

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