マイケル・オンズロー (第7代オンズロー伯爵)

第7代オンズロー伯爵マイケル・ウィリアム・コープルストン・ダイロン・オンズローは、1938年2月28日に生まれ、イギリス貴族社会と政界で重要な役割を果たした人物です。名門イートン校を経てソルボンヌ大学で学んだ彼は、1971年に父である第6代オンズロー伯爵の死去に伴い爵位を継承しました。

これにより、保守党所属の貴族院議員となります。彼は貴族院の改革を巡り、複雑な立場を取っていました。漸進的な改革には賛成を示しつつも、労働党が進める抜本的な改革には反対の姿勢を貫きました。ブレア首相率いる労働党政権が貴族院法制定を推し進めた際には、貴族院による抵抗を支持し、その遅滞戦術を肯定しました。皮肉にも、同法成立後には世襲貴族枠に選ばれ、貴族院議員としての地位を維持することとなります。

ブレア内閣による大法官府改革についても、マイケルは強い批判を表明しました。「首相は800年の歴史を持つ大法官職を台無しにしている」という彼の言葉は、伝統への深い敬意と改革への懸念を示しています。一方、後のキャメロン政権による緩やかな貴族院改革には賛成の立場をとりましたが、同政権の議会任期固定法案には反対しました。

政治活動と並行して、マイケルは人権問題にも積極的に関わっていました。2005年7月には人権共同委員会委員に就任し、テロ対策法案など、人権に関わる重要な政策決定に携わりました。特に、テロ容疑者を42日間拘留することを可能にする法案には、強い反対を表明しました。また、イングランド国教会の近代化についても、反対派としてその意見を表明していました。

マイケルは、晩年ガンと闘病しながらも、公職に尽力しました。2011年5月14日、73歳でその生涯を閉じました。彼の死は、英国の政治社会に大きな損失をもたらしました。

彼の家族について見てみると、1964年7月17日、ロビン・リンゼイ・バラードと結婚し、一男二女をもうけています。長男であるルパート・チャールズ・ウィリアム・バラードは、現在第8代オンズロー伯爵として、父の後を継いでいます。娘のアラベルとシャーロットも、それぞれの道を歩んでいます。

マイケル・オンズローの生涯は、伝統と改革、保守と革新の間で揺れ動く英国政治の縮図を映し出しています。彼の保守的な信念と人権への深い関与は、現代イギリスの歴史に明確な足跡を残しました。貴族院議員としての活動、人権共同委員会委員としての貢献、そして保守党政治家としての彼の活動は、英国政治に多大な影響を与え、その功績は長く語り継がれることでしょう。彼の活動記録は、議会記録であるHansardにも残されており、彼の発言や行動を詳しく知ることができる貴重な資料となっています。さらに、デイヴィッド・キャメロンへの公開書簡など、彼の信念や考えを理解する上で重要な資料も存在します。これらの資料を通して、彼の生涯と業績をより深く理解することができます。

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