マイタウン・ダイレクトバス

マイタウン・ダイレクトバスとは

マイタウン・ダイレクトバスは、京成バスを中心とした京成電鉄バスグループ各社が運行する、東京都心（主に東京駅）と千葉県内を結ぶ高速バス路線ネットワークの愛称です。主な目的は、通勤・通学やビジネスなど、都心への移動手段として、鉄道駅から距離のある地域から乗り換えなしのダイレクトアクセスを提供することにあります。

この通勤高速バスの構想は、約40年前に旧運輸省によって初めて提唱されましたが、当時は道路網の未整備のため実現が見送られていたという経緯があります。しかしその後、東関東自動車道や首都高速道路といった主要幹線道路の整備が進んだことを受け、鉄道駅へのアクセスが不便な新浦安エリアや千葉北インターチェンジ周辺地域などから東京都心へ、乗り換えなしで直接アクセスできる高速バスとして計画・実現に至りました。

利用者は、ピーク時の鉄道混雑を避けることができるほか、自宅から最寄り駅までの路線バス運賃とそこから都心までの鉄道運賃を合わせたものと比較して、同等程度の運賃で都心まで移動できる点が強みとしてアピールされています。京成グループの他の高速バスネットワークと同様に、無線システムを活用したリアルタイムの交通状況把握に基づき、渋滞を避ける運行ルートを選択するなどの対策が取られています。

沿革の概要

マイタウン・ダイレクトバスは、2009年3月31日の新浦安ルート運行開始を皮切りに、順次路線を拡大してきました。

2009年: 新浦安ルート、千葉北ルート（愛称「ちばきたライナー」）が運行開始。PASMOへの対応も進められました。停留所の新設やダイヤ改正による増便・減便も行われました。
2010年: ユーカリが丘ルート、千城台ルートが運行開始。
2011年: 一部ルートでダイヤ改正が実施されました。
2012年: 千葉市ベイエリア方面ルートが運行開始。
2013年: 千葉北ICルート（ユーカリが丘ルート）が廃止。
2017年: 新浦安ルートの一部便でジェイアールバス関東が運行に参入。東京駅の乗降場所が変更されました。
2019年: ユーカリが丘ルートから京成バスが撤退。千葉市ベイエリアルートも廃止されました。
2021年: 千城台ルートからちばフラワーバスが撤退し、京成バス単独運行に。一部区間も廃止されました。

主な運行ルート

現在運行されている主なルートは以下の通りです。

新浦安ルート: 秋葉原駅、東京駅八重洲南口と東京ディズニーリゾート、新浦安エリア（日の出、明海、高洲など）を結びます。京成バス、京成バス千葉ウエスト、ジェイアールバス関東が運行しています。
千葉北ルート（ちばきたライナー）: 東雲車庫、東京駅八重洲口と千葉市稲毛区北部（ヴィルフォーレ稲毛、ワンズモール、長沼原町など）を結びます。京成バス長沼営業所が主に担当しています。
ユーカリが丘ルート: 東雲車庫、東京駅八重洲口と佐倉市・四街道市方面（ユーカリが丘駅、臼井駅入口、東邦大佐倉病院、千代田団地など）を結びます。四街道IC経由と佐倉IC経由のルートがあり、京成バス千葉イースト、ちばグリーンバス、千葉内陸バスが運行しています。
千城台ルート: 東雲車庫、東京駅八重洲口、大江戸温泉物語と千葉市若葉区方面（千城台駅、千城台北駅、小倉台駅など）を結びます。京成バス千葉営業所が担当しています。

廃止されたルート

過去には以下のルートが運行されていました。

千葉北ICルート（ユーカリが丘ルート）: 志津駅入口などを経由するユーカリが丘方面のルート。2010年運行開始、2013年廃止。
千葉市ベイエリアルート: 国際展示場駅、東京駅と千葉市美浜区（幕張メッセ中央、磯辺中央、高浜車庫など）を結ぶルート。2012年運行開始、2019年廃止。
TDRルート（ユーカリが丘ルート）: 東京ディズニーランド・シーとユーカリが丘方面を結ぶルート。2013年運行開始、2014年廃止。

特記事項

東京駅での乗降場所は、新浦安ルートが八重洲南口JR高速バスターミナル（乗車）および日本橋口（降車）を利用するのに対し、他の路線は京成バス乗り場（八重洲口）からの発着となります。
運賃は、上り便（都心方面）は乗車時に先払い、下り便（千葉方面）は降車時に後払いとなります。下り便は、利用するバス停を乗車時に申告する必要があり、申告がない場合は通過または経由しない場合があります。
全車両で公衆無線LANサービスが提供されています。
過去には、ICカード利用時の割引や早朝・閑散時間帯のキャンペーン運賃などが実施されていました。
首都高速道路の出入口廃止に伴い、運行経路や時刻が変更されたこともあります。

これらの取り組みにより、マイタウン・ダイレクトバスは千葉県内と東京都心間の重要な公共交通機関の一つとして機能しています。

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