マイナーブラザース 史上最大の賭け

『マイナー・ブラザース 史上最大の賭け』（原題：Brewster's Millions）は、1986年に公開されたアメリカ映画で、巨額の遺産相続を巡る騒動と、それをめぐるコミカルな物語を描いたコメディ作品です。

本作は、1961年公開の『おかしなおかしなお金持ち』（日本未公開）のリメイク作品であり、『48時間』で知られるウォルター・ヒル監督、『マトリックス』シリーズのジョエル・シルバー製作、ライ・クーダー作曲という豪華スタッフ陣によって制作されました。

主人公は、マイナーリーグのハッケンサック・ブルズに所属する35歳の投手、モンティ・ブルースター。彼はある夜、バーで起こったトラブルで逮捕され、球団からは解雇宣告を受けます。しかし、そこで人生を一変させる出来事が待ち受けていました。

釈放後、モンティは私立探偵に弁護士事務所へと案内され、そこで衝撃の事実を告げられます。なんと、彼には白人の大叔父がおり、その大叔父が3億ドルもの遺産を残したというのです。しかし、この遺産相続には奇妙な条件が付けられていました。30日以内に3000万ドルを使い果たさなければ、遺産はゼロになるというのです。

さらに、その浪費の過程を誰にも話してはいけないという制約もあります。不動産や土地などの資産の取得も禁止されており、文字通り現金を使い果たす必要があるのです。モンティには、この不可能とも思える挑戦を助けるため、女性会計士アンジェラが同行することになります。

モンティは、当初は豪快に金を使い始めます。銀行の警備員を高額でボディガードとして雇ったり、周囲の人々に食事をごちそうしたりと、ありとあらゆる方法でお金を使っていきます。しかし、その浪費ぶりには、同行するスパイクやアンジェラも呆れ顔です。彼らはモンティに、堅実にお金を貯める方法などを提案しますが、モンティは聞く耳を持ちません。

彼は、ついには市長選に立候補するという奇抜な行動に出ます。しかも、「自分には投票しないでください」と演説するのです。その奔放な行動の数々は、周囲の人々を巻き込み、予想だにしない展開を招いていきます。

モンティの奔放な浪費劇は、やがて彼自身の人生観を大きく変えていきます。そして、物語の終盤には、不可能と思われた夢を実現させるという、感動的な結末が待っています。それは、彼が率いるハッケンサック・ブルズが、メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースと試合をするという、誰もが想像だにしなかった出来事でした。

この映画では、リチャード・プライヤーがモンティ・ブルースターを、ジョン・キャンディがスパイク・ノーランを演じ、二人の絶妙な掛け合いが笑いを誘います。その他のキャストも個性的で、物語に深みを与えています。

『マイナー・ブラザース 史上最大の賭け』は、お金と人生の意味を問いかける、痛快でユーモラスなコメディ映画です。常識破りの展開と予測不能なストーリー展開は、最後まで観客を飽きさせません。遺産相続というテーマを背景に、友情や人生の価値観といった普遍的なテーマも描かれており、世代を超えて楽しめる作品と言えるでしょう。

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