マイ・ファニー・レディ

マイ・ファニー・レディ：華麗なる面々、そして予期せぬ騒動

ピーター・ボグダノヴィッチ監督による2014年公開のアメリカ映画『マイ・ファニー・レディ』(原題: She's Funny That Way)は、豪華キャストと予測不能な展開で彩られた、笑いとロマンスが織りなす大人のコメディです。東京国際映画祭では『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』のタイトルで上映されました。

複雑に絡み合う人間模様

物語の中心は、演出家のアーノルド・アルバートソンと、彼に見出された新人女優イザベラ・“イジー”・パターソンです。イジーはかつて高級コールガールとして働いていましたが、アルバートソンとの出会いをきっかけに女優への道を歩み始めます。

アルバートソンの新作舞台には、彼の妻デルタ、デルタの元恋人セス・ギルバートも出演することになり、舞台裏は複雑な人間関係で張り詰めた雰囲気に包まれます。それぞれの思惑や感情が交錯し、予想外の衝突や笑いを誘う出来事が次々と起こります。

豪華俳優陣による競演

本作には、オーウェン・ウィルソン（アーノルド・アルバートソン）、イモージェン・プーツ（イジー）、キャスリン・ハーン（デルタ）、ウィル・フォーテ（ジョシュア）、リス・エヴァンス（セス）、ジェニファー・アニストン（ジェーン）ら、実力派俳優たちが名を連ねています。個性豊かなキャラクターたちが織りなす演技合戦は必見です。

日本版吹き替え版では、川島得愛さん、松井茜さん、石井未紗さん、滝知史さん、青山穣さん、佐々木優子さんなど、ベテラン声優陣がそれぞれのキャラクターに命を吹き込んでいます。

長きにわたる構想と制作

この映画の脚本は、監督のピーター・ボグダノヴィッチと彼の妻（当時）であるルイーズ・ストラットンによって、2000年頃に書き上げられました。当初のタイトルは『Squirrels to the Nuts』でしたが、子供向けと誤解されるのを避けるため変更されました。

当初、主演にはジョン・リッターを想定していたボグダノヴィッチでしたが、リッターの逝去により映画化は頓挫。しかし、ウェス・アンダーソンの紹介でオーウェン・ウィルソンと出会い、彼を主演に据えて脚本を書き直すことで、プロジェクトは再開されました。

キャスティングも紆余曲折を経ています。当初はブリー・ラーソンやオリヴィア・ワイルドが候補に挙がっていましたが、制作の遅れにより降板。その後、ジェニファー・アニストンやキャスリン・ハーンら豪華な顔ぶれが揃いました。

2013年7月、ニューヨーク市で撮影が行われ、29日間にわたる撮影期間を経て完成しました。音楽は、スティーヴン・エンデルマンからエドワード・シェアマーへと変更されるなど、制作過程も波乱に富んだものでした。

批評家の評価と公開

2014年8月にはヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、その後トロント国際映画祭、東京国際映画祭などでも上映されました。
しかし、批評家の評価は芳しくなく、Rotten Tomatoesでは批評家支持率40％と低評価でした。

それでも、豪華キャストと、予測不能なストーリー展開、そして、ちょっぴり切ないラブコメディは、多くの観客を魅了するでしょう。元売春婦から女優に転身した女性、複雑な人間関係、そして、予想外の展開。様々な要素が詰まった、忘れられない作品です。

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