マウリシオ・フネス

カルロス・マウリシオ・フネス・カルタヘナ（1959年[10月18日]] - 2025年1月21日）は、エルサルバドルの政治家であり、2009年6月1日から2014年6月1日まで同国の大統領を務めました。[[ファラブンド・マルティ民族解放戦線]に所属し、その政治 करियरは、ジャーナリストとしての経験と深く結びついています。

ジャーナリストから大統領へ

中央アメリカ・ホセ・シメオン・カーニャ大学を卒業後、1986年にテレビ局記者としてキャリアをスタートさせました。1991年からはCNN en Españolのリポーターとして、その名を広めます。内戦下のエルサルバドルにおいて、左翼ゲリラとされる人々にインタビューを行う一方で、与党ARENAに対しては批判的な番組を制作し、注目を集めました。

エルサルバドル内戦は1979年に始まり1992年に終結しましたが、この内戦で75,000人以上の死者と8,000人以上の行方不明者が出たとされています。FMLNは内戦中は反政府勢力でしたが、1992年以降は合法政党として勢力を拡大しました。フネスは2007年までテレビリポーターを続け、その報道姿勢は多くの人々に影響を与えました。

大統領としての挑戦

2007年11月28日、フネスはFMLNから大統領候補として指名を受けました。内戦時に戦闘員として従事した経験のない初のFMLN指導者であり、アメリカのテレビメディアで活躍した異色の候補者として注目されました。彼は新自由主義的な政治路線の変革を訴え、穏健な中道路線を強調。雇用創出、衛生福祉の充実、犯罪抑止を公約に掲げ、アメリカとの友好関係の継続やドル化政策の維持を約束しました。

2009年3月15日の大統領選挙で、フネスはARENAの候補を僅差で破り、51.3%の得票率で当選を果たしました。同年6月1日には大統領に就任。就任式には、ボリビア大統領のエボ・モラレスやアメリカ国務長官のヒラリー・クリントン、台湾総統の馬英九など、各国の要人が参列しました。就任当日には、50年間国交が断絶していたキューバとの国交を回復するなどの外交政策も実行しました。

国内政策とその後

フネス政権は、18ヶ月で10万人の雇用を創出する経済計画を発表し、実行に移しました。また、国内の犯罪増加に対しては、国軍が警察に協力するなどの緊急対策を講じました。2010年1月16日の内戦終結18周年記念式典では、大統領として内戦の犠牲者に謝罪し、対象者約1万8000人に総額1950万ドルの補償を確約しました。

2014年6月1日に大統領を退任し、後任にはサルバドール・サンチェス・セレンが就任しました。しかし、退任後、フネスは横領罪で告発され、2016年にニカラグアへ亡命。ダニエル・オルテガ政権下でニカラグア国籍を取得し、2025年1月21日に同国で病死しました。65歳でした。死亡時には、すでにエルサルバドルの裁判所から複数の有罪判決を受けていました。

マウリシオ・フネスは、エルサルバドルの歴史において、ジャーナリストから大統領へと転身し、内戦後の国の変革を主導した人物として記憶されています。

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