マエストラ (テレビドラマ)

マエストラ

韓国のケーブルテレビ局tvNで2023年12月9日から2024年1月14日まで放送されたテレビドラマ、『マエストラ』（朝: 마에스트라）は、一人の天才女性指揮者が抱える秘密と、それを巡る音楽界の愛憎劇を描く本格音楽サスペンスです。主演は女優イ・ヨンエが務め、イ・ムセン、キム・ヨンジェ、ファン・ボルムビョルらが名を連ねています。本作品は、韓国での放送終了後、日本を含む世界各国でディズニープラスにて配信されており、その緊迫感あふれるストーリー展開と俳優陣の演技が注目を集めました。

あらすじ

物語は、世界的に知られる天才女性指揮者チャ・セウム（演: イ・ヨンエ）が、解散の危機に瀕したオーケストラ「漢江フィルハーモニー」の立て直しを託され、およそ20年ぶりに故郷である韓国の地を踏むところから始まります。輝かしいキャリアを持つセウムでしたが、かつての栄光を失った漢江フィルの団員たちの間には、彼女に対する複雑な感情や反感が渦巻いており、その着任は決して温かい歓迎ムードではありませんでした。しかし、世界の音楽界でわずか5%とも言われる女性指揮者の中でトップクラスの実力を持つ彼女の卓越した才能は、誰もが認めざるを得ないほど圧倒的でした。

セウムが常任指揮者に就任して間もなく、彼女は楽団の要であるコンサートマスター（コンマス）に、最年少団員であるイ・ルナ（演: ファン・ボルムビョル）を指名するという意外な決定を下します。長年コンマスを務めていたのは、セウムの師匠でもあり、父の友人でもあるベテランのパク・ジェマン（演: イ・ジョンヨル）でしたが、セウムは彼の高齢を理由にコンマスの座を辞退させました。この突然の若返り人事に対し、漢江フィルの団員たちは猛反発します。セウムは彼らを説得しようと試みますが、団員たちは耳を傾けず、セウムを無視するかのように独自に練習を続行。これに対し、セウムは激しい怒りを露わにし、練習室のドアを文字通り叩き壊して乗り込むという衝撃的な行動に出ます。彼女は団員たちを前に、「いつまで落ちぶれたままでいるつもりか」「私と勝負をするのなら、音楽で勝負しなさい」と叱咤し、自らタクトを振って練習を再開させます。しかし、その緊迫した瞬間に、一人の男性が現れ…。物語はセウムが抱える隠された秘密と、それを巡る予期せぬ事件へと発展していきます。

主な登場人物

主要キャスト

チャ・セウム（演: イ・ヨンエ）
40代。元ヴァイオリニストであり、現在は世界的な天才指揮者。解散寸前の漢江フィルを立て直すために20年ぶりに韓国へ帰国します。大胆で毅然としたカリスマを持ち、観客を魅了しますが、誰にも打ち明けられない秘密を抱えています。

ユ・ジョンジェ（演: イ・ムセン）
40代。投資会社「UCフィナンシャル」会長。セウムの元恋人であり、今も彼女に強い未練を抱いています。セウムの周囲に現れ、物語に深く関わっていきます。

キム・ピル（演: キム・ヨンジェ）
40代。大学教授であり、漢江フィルの常任作曲家。ニューヨークでセウムと出会い、結婚しました。セウムの才能と成功に対し、劣等感を抱いています。

イ・ルナ（演: ファン・ボルムビョル）
20代。漢江フィルの最年少楽団員。セウムによって新たなコンサートマスターに指名されます。

漢江フィルハーモニー関係者

チョン・サンド（演: パク・ホサン）
40代。漢江フィルハーモニー代表理事。楽団の危機を救うためセウムを招聘しますが、彼女と団員の衝突に頭を悩ませます。

マ・ヨソプ（演: ヤン・ジュンモ）
40代。ティンパニ奏者。団員たちの中心的存在としてリーダーシップを発揮します。

キム・ボンジュ（演: チン・ホウン）
20代。オーボエ奏者。父は国会議員という背景を持ちます。

パク・ジェマン（演: イ・ジョンヨル）
60代。元コンサートマスターで、セウムの師匠。長年務めたコンマスの座を一夜にして追われることになります。

イ・アジン（演: イ・シウォン）
30代。ホルン奏者。幼い頃からホルンに親しんできました。

セウム周辺の人物

チャ・ギベク（演: チョン・ドンファン）
70代。セウムの父。イタリアのヴァイオリン製作学校を卒業した初の韓国人で、現在は楽器会社「セウム」の社長。温厚な性格で、病気の妻ジョンファを献身的に看病しています。

ペ・ジョンファ（演: イェ・スジョン）
60代。セウムの母。元ヴァイオリニスト。セウムとは20年間も会わない時期がありました。

イ・ヘジョン（演: キム・ヨンア）
40代。セウムの高校時代の親友。楽器会社「セウム」のマネージャーを務めています。

このドラマは、音楽という華やかな世界の裏側で繰り広げられる人間ドラマとサスペンスが絡み合い、視聴者を引きつけます。天才指揮者が抱える秘密とは何か、そして楽団を取り巻く愛憎と裏切りの行方はどうなるのか、目が離せない展開が続きます。

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