ウルフルズ「マカマカBUNBUN」:苦難の道のりと再評価
「マカマカBUNBUN」は、
1993年5月19日にリリースされた
ウルフルズの2枚目の
シングルです。東芝EMIから発売されました。この
シングルは、
ウルフルズにとって初のタイアップ作品となりました。
リリースまでの経緯
デビュー翌年にもかかわらず、セールスの低迷によりレコード会社から契約解除の危機に瀕していた
ウルフルズ。事務所側は、バンドを存続させるため、タイアップ獲得などの状況を鑑み、バンドの意向とは必ずしも一致しない形で本
シングルと次作「世の中ワンダフル」のリリースを要請しました。
しかし、この事務所主導のリリースに対し、メンバーは納得がいきませんでした。特に
トータス松本は、歌詞制作の依頼に対し「歌いたくないと言っているのに、歌詞を書けとは何事だ!」と激怒したと言われています。最終的に、
ウルフルケイスケが歌詞を担当することになりました。
歌詞が完成し、レコーディングが開始されたものの、
トータス松本は歌うことができず、ヘッドホンを付けたままその場にしゃがみ込んでしまうなど、極度のスランプに陥ってしまいました。
サウンドの変化とアルバム未収録
セカンド・アルバムの制作時から、プロデューサーに
伊藤銀次を迎えたことで、サウンドの方向性が大きく変化しました。そのため、「マカマカ BUN BUN」とそのカップリング曲は、アルバムには収録されませんでした。「マカマカ BUN BUN」は、リズム面のみが「すっとばす」に、カップリング曲の「さんさんさん」はリアレンジされ「
SUN SUN SUN'95」として
シングル発売されました。
これらの経緯から、「マカマカBUNBUN」はベストアルバムにも収録されず、長らくライブでも演奏されることはありませんでした。
収録曲
1. マカマカ BUN BUN
作詞・作曲:トータス松本、ウルフルケイスケ
編曲:
ウルフルズ、水野久興
2. さんさんさん
作詞・作曲:トータス松本、ウルフルケイスケ
編曲:
ウルフルズ
3. マカマカ BUN BUN(オリジナル・カラオケ)
タイアップ
マカマカ BUN BUN
朝日放送系列『
摩訶不思議 ダウンタウンの…!?』エンディングテーマ(
1993年4月 - 9月)
幻の曲からライブでの復活へ
長らく日の目を見なかった「マカマカBUNBUN」ですが、
2008年4月12日に行われた武道館ライブで、メドレー形式ではあるものの、ついに演奏されました。この復活は、ファンにとって大きな喜びとなりました。
苦難の末に生まれた「マカマカBUNBUN」は、
ウルフルズの歴史において、特別な意味を持つ楽曲と言えるでしょう。