マクドナルド氏族

マクドナルド氏族（Clan MacDonald/Mcdonald）またはドナルド氏族（Clan Donald）は、スコットランドの氏族の中でも最大規模を誇ります。ハイランド地方各地に少なくとも9つの分家が散在しており、その勢力の広がりが窺えます。

分家は、ヘブリディーズ諸島、スカイ島の対岸、キッポッホ、グレンコー、キンタイア半島などに広がっています。その起源は12世紀にヘブリティーズ諸島を領有した王、ソマーレド（Somerled）の子孫であるとされています。

歴史的に、マクドナルド氏族はキャンベル氏族と激しく対立しました。この対立は、インヴァロッヒーの戦い（1645年）やジャコバイト蜂起などの戦乱において顕著に現れています。特に、グレンコーの分家が虐殺事件の犠牲となったことは、両氏族間の溝を決定的なものとし、その影響は現代にまで及んでいます。

現在、マクドナルド氏族の本部はスカイ島のアマンデールに置かれています。各分家にはそれぞれ氏族長（チーフ）がおり、それらをまとめる最高評議会と最高評議長（ハイ・チーフ）が存在し、氏族全体の意思決定と運営を行っています。

マクドナルド氏族は、氏族の活動も比較的活発であり、2006年にはカロドン・ミュアの戦いの260周年記念式典を開催するなど、歴史的な出来事を後世に伝える活動も行っています。18世紀以降、北アメリカ大陸に移住した氏族出身者も多く、その中には、世界的なファーストフードチェーンであるマクドナルドの創業者一族や、アルバム「Sons of Somerled」などをリリースしたオルタナティブ・ロックミュージシャンのスティーブ・マクドナルドなど、様々な分野で活躍する人々がいます。氏族の歴史と伝統は、現代においても様々な形で受け継がれています。

関連情報:
* ドナルド氏族最高評議会（英語）: clandonald.com

もう一度検索