マクリントック (映画)

『マクリントック』（原題: McLintock!）は、西部劇の要素とコメディの要素を融合させたアメリカ映画です。かつて『大西部の男』という邦題で親しまれていました。ウィリアム・シェイクスピアの喜劇『じゃじゃ馬ならし』をベースにした作品としても知られています。

あらすじ

物語の舞台は西部開拓時代。広大な土地を所有する大地主、マクリントックの元に、2年前に離婚した元妻キャサリンが突然帰ってきます。勝気でわがままなキャサリンは、マクリントックだけでなく、彼が新たに雇い入れたばかりの未亡人ルイーズとその息子デヴリンにも、遠慮なく自分の意見を押し付け、周囲を巻き込んで騒動を繰り広げます。マクリントックは、そんなキャサリンに手を焼きながらも、彼女への愛情を捨てきれずにいます。果たして、二人の関係はどうなっていくのでしょうか。

キャスト

マクリントック：ジョン・ウェイン
キャサリン：モーリン・オハラ
ルイーズ：イヴォンヌ・デ・カーロ
デヴリン：パトリック・ウェイン

制作の背景

監督には、低予算映画やテレビ番組の演出経験が豊富なアンドリュー・V・マクラグレンが起用されました。彼は、限られた予算の中で、西部劇ならではの壮大な風景と、コメディならではの軽快なテンポを見事に両立させています。また、制作はジョン・ウェインの息子であるマイケルが担当し、マイケルの弟パトリックも主要キャストの一人として出演しています。家族ぐるみで制作された作品であることがわかります。

撮影は、アリゾナ州ツーソンにあるオールド・ツーソン・スタジオを中心に、アリゾナ州パタゴニア南部のサン・ラファエル自然公園内にあるサン・ラファエル・ランチ・ハウス、そしてノゲールズで行われました。広大な西部を舞台にした物語にふさわしい、雄大な自然の景観が映像に彩りを添えています。

パブリックドメインについて

本作は、ジョン・ウェインが率いるバットジャック・プロダクションがユナイテッド・アーティスツのために制作した作品であり、映画化権は当初ウェイン側にありました。しかし、1994年に著作権の継承手続きに不備があったことが判明し、パブリックドメインとなりました。これにより、著作権者の許可なく自由に複製、上映、改変などが可能となりました。ただし、劇中で使用されている楽曲の楽譜に関しては、著作権が依然として有効である点に注意が必要です。

まとめ

『マクリントック』は、西部劇の要素とコメディの要素が絶妙に組み合わさった、娯楽性の高い作品です。ジョン・ウェインとモーリン・オハラの掛け合いは、長年の共演が生み出す息の合ったもので、見ている人を飽きさせません。家族経営ならではのアットホームな雰囲気も魅力の一つです。著作権の問題はありますが、今でも多くの人々に愛され続けている作品です。

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