マクロスM3

『マクロスM3』は、2001年にドリームキャストで発売された3Dシューティングゲームです。過去のPlayStation用タイトルと同様に、可変戦闘機を操縦し、全8エピソード（18ステージ）のミッションを攻略していく形式を採用しています。

本作の特徴は、従来の「マクロスシリーズ」では描かれていなかった時代を舞台にしている点です。『超時空要塞マクロス』と『マクロス7』の間に位置する2014年から2030年を舞台とし、河森正治氏、美樹本晴彦氏、板野一郎氏といったシリーズ主要クリエイターが制作に参加しています。ストーリーは、マクシミリアン・ジーナス、ミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻と、彼らの養女となるモアラミア・ジフォンの家族愛を中心に展開され、『超時空要塞マクロス』から『マクロス7』への流れを深く理解できる内容となっています。

ゲームシステムとしては、各エピソード開始前に作戦概要の説明を受け、使用機体、キャラクター、プラグイン（オプション装備）を選択します。使用可能な機体やプラグインは、前エピソードのスコアやクリアタイムによって増えるため、ハイスコアを狙うやり込み要素も存在します。また、高性能な機体ほどプラグインの搭載容量が多くなります。

各エピソードは2～3ステージで構成されており、制限時間内に任務を達成すれば次のステージに進めます。ただし、一部ステージでは制限時間の20％以上を残してクリアしないと、次のステージがスキップされます。このスキップの有無によってエンディングが分岐し、スキップなしで進めると「GOOD END」、一度でもスキップすると「BAD END」となります。さらに、クリア済みのステージを自由にプレイできるフリーミッションモードも搭載されています。

操作面では、前方の敵機を複数ロックオンできます（同時ロックオン数は機体性能に依存）。ブースト・サーチボタンを使用することで、ファイターモードやガウォークモードでは瞬間的な加速、バトロイドモードでは敵機の自動補足が可能です。また、ボタンの組み合わせによって緊急回避、ミサイル一斉発射、フレア散布などの特殊アクション（テクニカルコマンド）を実行できます。

ストーリーは、第一次星間大戦後の地球を舞台に展開されます。人類は異星人ゼントラーディと共存社会を築き、宇宙移民計画を推進しますが、一部のゼントラーディ人は武装勢力を結成し、テロやゲリラ活動を活発化させます。事態を重く見た統合軍は、特務部隊「ダンシング・スカル」を編成し、マクシミリアン・ジーナス、ミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻を派遣します。ダンシング・スカルは、巡洋艦アルゲニクスに所属し、紛争地帯へ急行。そこで、ゼントラーディ人の少女兵モアラミア・ジフォンを捕獲し、養女として迎え入れることを決意します。

本作には、VF-3000 クルセイダーやVF-9 カットラスといった、設定やイラストのみで映像作品に未登場だった可変戦闘機が登場します。これらの機体は、河森正治氏によってデザインがリファインされています。

ゲームをクリアすると、BGMをリン・ミンメイの楽曲に変更できるプラグインが使用可能になります。「GOOD END」の場合は「愛・おぼえていますか」、「BAD END」の場合は「小白竜（シャオ・パイ・ロン）」が流れます。また、エンディングで表示されるURLから公式サイト内のクイズページにアクセスし、一定数正解すると、『マクロスプラス』に登場するYF-19またはYF-21を使用可能にするパスワードを入手できます。

『マクロスM3』は、シリーズファンにとっては見逃せない作品であり、3Dシューティングゲームとしても高い完成度を誇ります。

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