マジンガー乙女

『マジンガー乙女』は、立花未来王とダイナミックプロによる日本の漫画作品であり、ダイナミックプロと永井豪が公認したパロディ作品です。本作および続編である『マジンガー乙女大戦』について解説します。

作品概要

本作は、携帯電話向けコミック配信サイトで配信されました。『マジンガー乙女』は2009年10月6日から、『マジンガー乙女大戦』は2010年12月9日から配信されました。

『マジンガーZ』シリーズや『鋼鉄ジーグ』に登場するロボットを女体化したアンドロイドを中心に、コメディやバトルが展開されます。また、いわゆる「ポロリ」といったお色気描写も多く含まれています。

主人公を含むアンドロイドたちは、日常生活で人間に危害を加えないよう、規制標識によって能力を制限されています。『乙女大戦』では、その規制標識が存在しない空き地を舞台に、瀬戸率いるマジンガー軍団と新生マジンガー軍団との間で激しい戦いが繰り広げられます。

本作の大きな特徴として、各キャラクターのバトルシーンやセクシーシーンが、瀬戸の脳内イメージとして、元ネタとなったロボットに置き換えて描写されることがあります。

登場人物

マジンガー軍団

魔神瀬戸（まかみせと）
本作の主人公。マジンガーZをベースに作られたアンドロイドで、17歳という設定。富士乃裾野高校に通っています。ドジっ子でマゾヒストな性格。ロケットパンチやルストハリケーンなど、オリジナルのマジンガーZの武装をすべて装備しています。ブレストファイヤーを使用すると胸が露出してしまうのが悩み。
温泉成分に反応して一度爆発しますが、後に新装備ウイングスクランダーを装着して復活し、飛行能力を得ます。『乙女大戦』では、魔ジーグ戦でブレストファイヤーの強化版「ブレストファイヤーバースト」を使用し、さらにA（アストロ）マジンガーZにパワーアップします。

A（アストロ）マジンガーZ
瀬戸のパワーアップ形態。重蔵によれば、「光子力を極限まで高めた瀬戸の真の姿」であり、「生粋のマゾッ子パワーが生み出す奇跡」とのこと。瀬戸自身もこの形態になる際の記憶がなく、自分の意志で変身することもできません。魔ジーグを圧倒するほどのパワーを持ちます。
武器は「メテオフォールパンチ」、「プロミネンスファイヤ」、「光子力ブラスト」、「ネビュラハリケーン」。最大の武器は浄化の光「光子の輪（フォトン・オーリオール）」です。

魔神麗人（まかみれいと）
グレートマジンガーをベースに作られたアンドロイド。18歳という設定で、瀬戸からは姉と呼ばれていますが、本人は「自分の方が新型で高性能なのに、なぜ姉なのか」と不満に思っています。常に冷静沈着で、少女[[漫画]]好き。胸のボリュームは他の女性キャラに比べて控えめです。
オリジナルのグレートマジンガーの武装をすべて装備していますが、グレートタイフーンは顔が歪むため使用しません。マジンガーブレードはグレートソードという名称で、鞘に入れて常に持ち歩いています。『乙女大戦』では、魔ジーグ戦でグレートソードブースターという追加装備を使用します。

グレース・D・フリード
グレンダイザーをベースに作られたアンドロイド。19歳という設定ですが、瀬戸と同じクラスに転入してきます。片言の外国人風の話し方をします。当初は正体を隠していましたが、すぐに瀬戸たちにバレてしまいます。一時は瀬戸をベガ星連合軍のスパイと疑って戦いますが、後に和解して友人となります。実は近眼で、眼鏡がないとよく見えません。普段は学校の屋上にあるスペイザーを寝袋代わりにしていますが、後にダークに奪われます。
オリジナルのグレンダイザーの武装をすべて装備しています。『乙女大戦』では、魔ジーグ戦で地球製のスペイザー、ゴッドスペイザーを使用します。ただし、本人曰くこれは「お出かけ用」であり、マジンガー大戦後もスペイザーを巡ってダークと争っています。

高徹椎子（こうてつしいこ）
ジーグの能力を持つサイボーグ少女。16歳。元々は普通の人間でしたが、父親に勝手に改造されたため家出し、実家近くの河川敷にテントを張って生活しています。無口であまり感情を表に出しません。軽い衝撃でバラバラになってしまいますが、実際は力を抑えているだけです。
オリジナルのジーグの武装をすべて装備しています。ヘソ出しルックやパンチラなどのサービスカットはありますが、裸体の露出シーンはありません。想像を絶するほどの音痴です。

機械獣軍団

桂（ケイ）
婆土須高校の校長が作った機械獣軍団の長女。ガラダK7をベースに作られたアンドロイドで、問題のある妹たちのツッコミ役です。

絵夢（エム）
機械獣軍団の次女。ダブラスM2をベースに作られたアンドロイドで、両手にダブラスの頭部の形をした手袋をはめており、そこから火炎やワイヤーを放射します。手袋がないと喋れないのかどうかは不明。

恵留（エル）
機械獣軍団の三女。ダムダムL2をベースに作られたアンドロイド。一人称は「ボク」。巨大なローラーと合体して真の姿になります。食いしん坊で、常に何かを食べています。

ニセZ
桂、絵夢、恵留が肩車をして変装した偽物の瀬戸。変装は完璧で、本物が現れるまで誰も正体に気づきませんでした。グレースと椎子を騙して腕を奪い取り、麗人を倒そうとしますが、瀬戸に正体を暴かれます。
武装は重蔵が作った「簡易サンダーブレイク発生装置」と、奪った拳を含めたすべての拳を発射する「リボルバーパンチ」です。

サブキャラクター

魔神鋼児（まかみこうじ）
兜甲児に似た容姿をしていますが、作中での扱いはボスに近く、瀬戸の脳内図でもボスボロットとして描かれています。当初は瀬戸を迷惑な存在だと思っていましたが、後にZの素晴らしさに気づきます。

魔神重蔵（まかみじゅうぞう）
瀬戸を作った科学者で、鋼児の祖父。兜十蔵に似た容姿をしています。50歳の頃にマジンガーZを見て、光子力・超合金Z・鉄の城というフレーズに魅了され、瀬戸を作り上げました。ゴッドスペイザーを製作したほか、「マジンガーでアルファベット26個を制覇したい」という理由で音呂も製作しています。

魔神健造（まかみけんぞう）
麗人を作った科学者で、重蔵の弟。兜剣造に似た容姿をしています。グレートソードブースターを製作したほか、兄の考えに賛同して巫唯を製作しています。

高徹弘（こうてつひろし）
椎子の唯一の肉親で、考古学者。司馬宙に似た容姿をしています。椎子を勝手にサイボーグに改造したため、激しく嫌われています。邪魔大王国発掘のため旅に出ており、作中には登場しませんが、椎子に嫌われた嘆きから新を製作します。

湯見（ゆみ）
瀬戸のクラス担任。弓弥之助に似た容姿をしています。『乙女大戦』では鋼児とともに司会を務めます。

婆土須高校校長
婆土須高校の校長で、本人は登場しません。ドクターヘルに似た容姿をしており、自分がドクターヘルの生まれ変わりだと信じ、瀬戸を倒すために機械獣軍団を作り上げました。

ベガ大王
グレースによると、フリード星を滅ぼし、地球侵略を企てているとのことですが、詳細は不明。グレースを倒すためにダークを作ったことが判明しています。

さやか似の女子
弓さやかに似た容姿の女子生徒。瀬戸の脳内図ではダイアナンAとして描かれています。

マリア似の女子
マリア・フリードに似た容姿の女子生徒。瀬戸の脳内図ではビューナスAとして描かれています。

新生マジンガー軍団

陣賀音呂（じんがねろ）
『乙女』オリジナルのマジンガー、N（ネクロ）マジンガー。露出度の高い服装をしており、一人称は「ボク」。「バンテージロケットパンチ」、「カースハリケーン」、「ブレストブリザード」を装備。左眼は眼帯をしており、敵を金縛りにする「光子力バインド」と隠し球である「光子力メガビーム」を使う時のみ外します。ウイングスクランダーを展開して空を飛ぶことも可能です。重蔵が製作したマジンガーで、瀬戸の妹にあたります。マジンガー大戦後はAマジンガーZと戦いたいために瀬戸の出番を奪ったり、戦いを挑んでいます。瀬戸のことは「妹キャラ」ということで姉とは呼びません。

陣賀巫唯（じんがぶい）
『乙女』オリジナルのマジンガー、マジンガーV（ヴァラー）。重厚な鎧を身につけ、侍口調で話します。一度眠ると雷が鳴っても起きません。「ハンマープレスパンチ」、「ヴァラータイフーン」、「プラズマブレイク」を装備。最大の武器はあらゆる攻撃を跳ね返す盾「マジンガード」と、ブレスト系最強の破壊力を持つ「ブレストゲイザー」です。健造が製作したマジンガーで、麗人の妹にあたります。マジンガー大戦後は麗人のグレートソードブースターに対抗し、さらに巨大な盾「スーパーマジンガード」を用意して再戦を申し込んでいます。麗人のことは「大姉上」と呼びます。

ダーク・G・ダーク
ベガ星連合軍が作った黒いグレンダイザー（通称グレンダーク）。能力や標識による規制もコピーされています。容姿やしゃべり方はグレースに似ていますが、褐色肌でスリーサイズは向上しています。視力は低くなく、眼鏡は伊達眼鏡です。仮免の途中で出撃がかかってしまったため、自分のスペイザーをスクラップにしてしまいました。以降はグレースのスペイザーを奪って使用しています。
武装はグレンダイザーと対になるものが多く、腕のカバーをカッターの形に展開して放つ「スピニングクラッシャーパンチ」、超重力で敵の動きを封じる「加重力ストーム」、J時形に湾曲された鎌形の武器「ダブルハルパー」を装備。必殺武器はスペイザーと合体して放つ「ダークサンダー」です。使用後スペイザーはダークエネルギーにより黒く染まります。マジンガー大戦後もスペイザーを巡ってグレースと争っています。

高徹新（こうてつしん）
新ジーグを基に作られたアンドロイドで、新生マジンガー軍団の中で唯一原作ロボを基にしています。椎子ほどではありませんが感情に乏しく、途切れ途切れに話します。最大の武器は無差別かつ毒舌な正論攻撃で、椎子も反論できずに泣くしかありません。オリジナルの新ジーグの武装をすべて装備しています。露出は一切なく、椎子同様に裸体の露出はありません。想像を絶するほどの味覚音痴です。音呂達と共闘する理由は特にありませんでしたが、「家出した椎子を懲らしめる」「4対4の方が盛り上がる」という理由で新生マジンガー軍団に参戦しました。戦いの最中にアクシデントにより椎子と結合し、魔ジーグとなります。マジンガー大戦後は心を入れ替え、椎子の世話をするようになります。

魔ジーグ
アクシデントにより椎子と新が合体してしまった形態。弘曰く「パワーは2倍どころか2乗にも3乗にもなるが、理性を失う」とのこと。暴走して見物人も襲いました。一度は麗人とグレースの新兵器で倒されたと思われましたが、周囲の金属を集め第2形態となって復活。瀬戸達を一瞬のうちに戦闘不能に追いこむも、AマジンガーZとなった瀬戸に圧倒され、光子の輪で浄化され元に戻りました。武器は「ジーグビームジェノサイド」、「ナックルボンバーボルケイノ」、「マッハドリルインフェルノ」、「スピンストームカタストロフ」。さらに電撃のような技も使います。作中では椎子と新の姿で描写されたのは2コマ程度で、大半はロボットの姿で描かれています。

書籍情報

『マジンガー乙女』 2010年2月23日発売 ISBN 978-4-8401-2983-1
『マジンガー乙女大戦』 2011年3月23日発売 ISBN 978-4-8401-3782-9

関連項目

鋼鉄神ジーグ

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