マスグレイヴ準男爵

マスグレイヴ準男爵について

マスグレイヴ準男爵は、イギリスの歴史において4度創設された準男爵位です。そのうち、現在まで存続しているのは、第1期と第3期の準男爵位です。それぞれの準男爵位の創設経緯と、歴代当主について詳しく解説します。

第1期：ハートリー城のマスグレイヴ準男爵 (1611年)

ウェストモーランド州のハートリー城を拠点としたマスグレイヴ準男爵は、1611年6月29日にリチャード・マスグレイヴによって創設されました。リチャードはウェストモーランド選挙区選出の庶民院議員でした。この準男爵位は、彼の男系子孫によって代々継承されており、2019年現在の当主は第15代準男爵サー・クリストファー・マスグレイヴです。

歴代当主は以下の通りです。

初代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1585頃–1615)
2代準男爵：サー・フィリップ・マスグレイヴ (1607–1678)
3代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (-1687)
4代準男爵：サー・クリストファー・マスグレイヴ (1631頃-1704)
5代準男爵：サー・クリストファー・マスグレイヴ (1688–1736)
6代準男爵：サー・フィリップ・マスグレイヴ (1712頃–1795)
7代準男爵：サー・ジョン・シャーディン・マスグレイヴ (1757–1806)
8代準男爵：サー・フィリップ・マスグレイヴ (1794–1827)
9代準男爵：サー・クリストファー・ジョン・マスグレイヴ (1797頃–1834)
10代準男爵：サー・ジョージ・マスグレイヴ (1799–1872)
11代準男爵：サー・リチャード・コートネイ・マスグレイヴ (1838–1881)
12代準男爵：サー・リチャード・ジョージ・マスグレイヴ (1872–1926)
13代準男爵：サー・ナイジェル・コートネイ・マスグレイヴ (1896–1957)
14代準男爵：サー・チャールズ・マスグレイヴ (1913–1970)
15代準男爵：サー・クリストファー・パトリック・チャールズ・マスグレイヴ (1949-)

現在の推定相続人は、現当主の弟であるジュリアン・ナイジェル・シャーディン・マスグレイヴ (1951-)です。

第2期：ヘイトン城のマスグレイヴ準男爵 (1638年)

カンバーランド州のヘイトン城を拠点としたマスグレイヴ準男爵は、1638年にエドワード・マスグレイヴに与えられたノヴァスコシア準男爵位に始まります。しかし、第10代準男爵サー・ウィリアム・マスグレイヴが1875年に死去した際、男子継承者がいなかったため、この準男爵位は廃絶しました。

歴代当主は以下の通りです。

初代準男爵：サー・エドワード・マスグレイヴ (1621頃–1673)
2代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1650頃–1710)
3代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1675頃–1711)
4代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1701頃–1739)
5代準男爵：サー・リチャード・ヘイトン (1724頃–1755)
6代準男爵：サー・ウィリアム・マスグレイヴ (1735–1800)
7代準男爵：サー・トマス・マスグレイヴ (1737–1812)
8代準男爵：サー・ジェイムズ・マスグレイヴ (1752頃–1814)
9代準男爵：サー・ジェイムズ・マスグレイヴ (1785–1858)
10代準男爵：サー・ウィリアム・オーガスタス・マスグレイヴ (1792–1875)

第3期：トーリンのマスグレイヴ準男爵 (1782年)

ウォーターフォード県トーリンのマスグレイヴ準男爵は、1782年12月2日に、アイルランド庶民院議員であったリチャード・マスグレイヴにアイルランド準男爵位として与えられました。彼には子供がいなかったものの、兄弟を特別継承者とする規定があったため、弟のクリストファー・マスグレイヴが2代準男爵位を継承しました。この準男爵位は、彼の男系子孫によって現在まで継承されており、2019年現在の当主は第8代準男爵サー・クリストファー・マスグレイヴです。

歴代当主は以下の通りです。

初代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1746–1818)
2代準男爵：サー・クリストファー・フレデリック・マスグレイヴ (1738–1826)
3代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1790–1859)
4代準男爵：サー・リチャード・マスグレイヴ (1820–1874)
5代準男爵：サー・リチャード・ジョン・マスグレイヴ (1850–1930)
6代準男爵：サー・クリストファー・ノーマン・マスグレイヴ (1892–1956)
7代準男爵：サー・リチャード・ジェイムズ・マスグレイヴ (1922–2000)
8代準男爵：サー・クリストファー・ジョン・シェーン・マスグレイヴ (1959-)

現在の推定相続人は、現当主の弟であるマイケル・シェーン・マスグレイヴ (1968-)です。

第4期：ドラムグラスのマスグレイヴ準男爵 (1897年)

アントリム県ドラムグラスのマスグレイヴ準男爵は、実業家・慈善家であったジェイムズ・マスグレイヴが1897年3月4日に連合王国準男爵位として叙されました。しかし、彼一代で廃絶しました。

歴代当主は以下の通りです。

初代準男爵：サー・ジェイムズ・マスグレイヴ (1829–1904)

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