マスターアーキテクト方式

マスターアーキテクト方式について

マスターアーキテクト方式（マスターアーキテクトほうしき）は、広範囲にわたる集合住宅地の整備に用いられるデザインコントロール手法です。この手法は、全体のデザインを調整するために、特定のルールに基づいた設計プロセスを導入します。具体的には、デザインコードやガイドラインを設定し、敷地全体のデザインを統一する役割を担うのがマスターアーキテクトです。個々の街区の設計を行うのがブロックアーキテクトであり、それぞれの設計者は土地の利用方法や街路空間のイメージ、建物の配置、高さ、用途、さらには外観デザインに至るまで考慮し、調和の取れた町の創造を目指します。

この方式は特にヨーロッパの都市整備において注目されており、まず整備対象地区のスタディを行うための設計競技が開催され、選ばれたマスターアーキテクトが示すプログラム案に基づいて計画概要を決定するという流れが一般的です。

マスターアーキテクトによる開発事例

マスターアーキテクトは多くの成功したプロジェクトを手掛けています。以下はその代表的な例です。

• - 内井昭蔵: ベルコリーヌ南大沢
• - レム・コールハース: 1988年から進行中のユーラリール計画
• - 山本理顕: 東雲キャナルコートCODANや、中国天津市塘沽区の伴山人家プロジェクト
• - ジャン＝ピエール・ビュフィ: ベルシー地区の再開発と集合住宅群の設計
• - ロラン・シュヴァイツアー: パリ13区トルビアック地区の集合住宅
• - クリスチャン・ド・ポルザンパルク: パリ第17区ボルトダニエール地区の街区計画
• - デュサパン & ルクレール: ユーラリール2
• - ジャン＝ピエール・ブランラス＝デクール: レンヌ郊外サン・ジャック・ドゥ・ラ・ランドの計画（1992年）
• - フランソワ・グレテール: パリ・バティニヨールの計画およびリヨン・コンフリュアンス対岸のジェルラン公園整備
• - ヘルツォーク & ド・ムーロン: コンフリュアンス・ローヌ川付近のプロジェクト
• - ジャン・ヌーベル: セガン島の整備
• - アレクサンドル・シュメトフ: ナント島の公園住宅地整備のマスタープラン

これらの開発事例は、マスターアーキテクトの専門知識とビジョンが融合した結果であり、地域の特性や住民のニーズに応じた設計がなされています。

参考文献

• - 「都市集合住宅のデザイン」まちをつくる集合住宅地研究会編著、彰国社

関連項目

• - アーキテクト
• - 開発
• - 景観

このように、マスターアーキテクト方式は、全体の調和を持った都市空間の創出を目指し、地域社会と調和した建築デザインを実現する重要な手法とされています。

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