東雲キャナルコートCODAN

東雲キャナルコートCODAN：都市型集合住宅の新たなモデル

東雲キャナルコートCODANは、東京都江東区東雲エリアに位置する、UR都市機構が開発した大規模な賃貸集合住宅です。1712戸という圧倒的な規模を誇り、2004年照明普及賞・優秀施設賞、2005年度グッドデザイン金賞、2006年第47回BCS賞など、数々の権威ある建築賞を受賞しています。そのデザイン性と居住性の高さから、都市型集合住宅の新たなモデルとして高く評価されています。

個性と調和が織りなす街並み

約4.8ヘクタールの中央ゾーンに展開するCODANは、容積率400％という高い容積率を活かしながらも、超高層ビルではなく、高層板状の建物群によって構成されています。これは、単なる住宅供給にとどまらず、新しい都市空間の創造を目指した、大胆な試みと言えるでしょう。

計画段階では、三枝成彰氏を座長、残間里江子氏をコーディネーターとする「まちなみ街区企画会議」が組織され、山本理顕氏をはじめとする複数の建築家による街区ごとの基本設計が行われました。さらに、「東雲デザイン会議」では、ランドスケープ、サイン、照明デザイナーらも参加し、各街区の個性と全体の調和を両立させた街並みのデザインが実現しました。

6つの街区からなるCODANは、各街区の個性あふれるデザインが特徴です。14階建ての高層住宅を中心に配置され、S字状のアヴェニュー沿いには、低層の建物や店舗が配置されています。このアヴェニューは、街路型の都市空間を形成し、人々の賑わいをもたらす役割を担っています。

各住棟の外壁には、「コモンヴォイド」と呼ばれる空間が設けられ、建物の圧迫感を軽減するだけでなく、色彩や照明デザインによって印象的な景観を生み出しています。特に、5街区は民間供給支援型賃貸住宅制度を活用し、東京建物が運営する「Brillia ist 東雲キャナルコート」として開発されていますが、全体デザインとの整合性を保ちながら、一体的な空間整備が実現されています。また、2019年11月からは、東急住宅リースが管理・運営を行うようになっています。

建築家の競演

各街区は、著名な建築家によって設計されている点も見逃せません。1街区は山本理顕氏、2街区は伊東豊雄氏、3街区は隈研吾氏、4街区は山田正司氏、そして5街区は東京建物による「Brillia ist 東雲キャナルコート」、6街区は元倉眞琴氏、山本圭介氏、堀啓二氏という顔ぶれです。それぞれの建築家の個性が際立つデザインが、CODANの多様な魅力を形作っています。

まとめ

東雲キャナルコートCODANは、単なる集合住宅ではなく、都市デザインの新たな可能性を示した、画期的なプロジェクトです。建築家、デザイナー、そしてUR都市機構の連携によって実現した、その洗練されたデザインと、快適な居住空間は、多くの人々に高く評価されています。高いデザイン性と居住性を両立させたこの住宅は、今後の都市開発における重要なモデルケースとなるでしょう。

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