マスター・アンド・コマンダー

概要

『マスター・アンド・コマンダー』（Master and Commander: The Far Side of the World）は、2003年に公開されたアメリカの戦争アクション[[映画]]である。この作品は、アカデミー賞において10にものぼる部門にノミネートされたが、最終的にはアカデミー撮影賞と音響効果賞の2部門で受賞した。原作はパトリック・オブライアンの著作による海洋冒険小説『オーブリー＆マチュリンシリーズ』であり、特に『南太平洋、波瀾の追撃戦』を基にして、関連するエピソードやストーリーが織り交ぜられている。

ストーリー

映画はナポレオン戦争の真っ只中である1805年を舞台に、フリゲート艦サプライズが主人公となる。艦長ジャック・オーブリー（ラッセル・クロウ）の指揮のもと、艦はフランス海軍の私掠船アケロンを拿捕する命令を受ける。しかし、アケロンはサプライズに比べ、艦のサイズや速度で優位に立っており、最初の交戦の際には甚大な損害を受けてしまう。オーブリーは下士官たちの懸念を押し退け、アケロンの追撃を続行するものの、嵐や無風といった厳しい気象条件が乗組員の士気を徐々に挫いていく。

オーブリーと彼の親友であり艦の医者、博物学者でもあるスティーブン・マチュリン（ポール・ベタニー）との間には、意見の対立が生じる。様々な困難に直面しながらも、オーブリーとサプライズ号の乗組員たちは策略を駆使し、敵艦アケロンとの戦いに挑む姿が描かれる。

キャスト

映画には多くの実力派俳優が参加しており、そのキャスティングも注目の要素となっている。主要キャストは以下の通りである。

• - ジャック・オーブリー艦長 - ラッセル・クロウ（日本語吹替：牛山茂）
• - スティーブン・マチュリン軍医 - ポール・ベタニー（日本語吹替：後藤敦）
• - トーマス・プリングス副長 - ジェームズ・ダーシー（日本語吹替：佐久田修）
• - ウィリアム・モウェット - エドワード・ウッドオール（日本語吹替：遠藤純一）
• - ウィリアム・ブレイクニー士官候補生 - マックス・パーキス（日本語吹替：小林優子）
• - ピーター・カラミー士官候補生 - マックス・ベニッツ（日本語吹替：小野塚貴志）
• - バレット・ボンデン水兵 - ビリー・ボイド（日本語吹替：大久保利洋）
• - その他のキャスト - リー・イングルビー、ロバート・パフ、パトリック・ギャラガー、デヴィッド・スレルフォール、トニー・ドーラン

制作背景

本作の監督を務めたのはピーター・ウィアーで、視覚効果はWETAデジタルが担当している。しかし、映画が公開された際には、一部の観客が持っていた期待と異なる内容につき、予告編に対する批判があった。特に、「少年兵が強制的に戦争に駆り出される」というテーマは、実際のストーリーと乖離していたため、ファンの間では不満の声が上がった。実際には、劇中のキャラクターたちが自発的に艦に乗り込んでいたことが多く、無理な徴用がされたわけではない。

また、この映画の原題に込められた「マスター・アンド・コマンダー」の意味は、18世紀末まで存在していたイギリス海軍の士官の役職を指しており、「艦長」や「指揮官」を兼ねる存在として描かれている。映画内のオーブリーは、特定の階級にかかわらず、指揮官の役割を担う重要なキャラクターであることが明示されている。

映画「マスター・アンド・コマンダー」は、歴史的背景を持つ物語が展開される一方で、キャラクター同士の人間関係や困難を乗り越える姿が見どころとなっている。感情の葛藤や友情の大切さが描かれ、観客に深い感動を与える作品である。

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