マッコーリー島

マッコーリー島は、オーストラリアのタスマニア州に属する絶海の孤島です。タスマニア島の南東約1400kmに位置し、1997年にはユネスコの世界遺産（自然遺産）に登録されました。

概要

この島は、全長約34km、幅最大5kmと細長く、周囲は荒々しい海に囲まれています。年間を通して強風が吹き荒れ、木々は育たず、草原が広がっています。マッコーリー島の最大の特徴は、その地質にあります。インド・オーストラリアプレートと太平洋プレートの境界に位置し、マントル由来の岩石が海面上に露出している地球上で唯一の場所なのです。これは、海底約6kmの深さにあるマントルの噴気孔が直接海面に達していることを意味し、主要な海盆内で形成された唯一のオフィオライトでもあります。

生物多様性

マッコーリー島は、ペンギンの大規模な繁殖地としても知られています。ロイヤルペンギンやオウサマペンギンなど、数種類のペンギンが生息しており、アホウドリ類も絶壁に営巣しています。また、ミナミゾウアザラシなどのアザラシも生息しています。しかし、これらの動物たちは、20世紀初頭までに乱獲され、数が激減しました。近年は保護活動が行われ、ある程度の回復を見せています。

環境問題と保護活動

マッコーリー島では、外来種の問題も深刻です。ネコ、ニュージーランドクイナ、ウサギ、クマネズミ、ネズミなどが持ち込まれ、在来種の生存を脅かしています。そのため、現在では外来種の除去作業が進められています。

その他

マッコーリー島は、インド・オーストラリアプレートと太平洋プレートの境界に位置するため、地震も頻繁に発生します。2004年にはM8.1の地震が発生しました。

1977年にはユネスコの生物圏保護区に登録されましたが、2011年に登録が撤回されました。現在、一般の観光客の立ち入りは固く禁止されています。

マッコーリー島は、その独特な地形と生態系から、科学的にも非常に重要な場所です。今後の保護活動によって、この貴重な自然が守られることが期待されます。

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