マッシュアップ (Webプログラミング)

マッシュアップとは、ウェブ上に公開されている複数の情報を加工・編集し、新たなウェブサービスとして再構築する手法です。この言葉は、異なる音源の一部を組み合わせて一つの楽曲を作る音楽のミキシング技術に由来しており、ウェブの世界でも同様に、複数のデータソースから関連性のある情報を選び出し、統合・加工することで、新たな価値を生み出します。

マッシュアップが注目されるようになった背景には、企業や団体が持つデータベースを公開するためのWeb API（アプリケーションプログラミングインタフェース）の整備が進んだことがあります。これにより、高度な情報技術の知識がなくても、既存のAPIを利用して比較的容易に新しいサービスを開発できるようになりました。例えば、自社が持つ住所や写真などの情報をGoogle Mapsなどの地図APIと組み合わせることで、独自の地図サービスを構築することが可能です。

マッシュアップの応用例は多岐にわたります。ビジネスの現場では、複数のWebサービスのAPIを組み合わせて、効率的な業務ツールや新しい顧客体験を提供するサービスが開発されています。また、大規模災害などの緊急時には、ソーシャル・プログラミングの重要な手段としても活用されています。例えば、ハリケーン・カトリーナの被害者救済サイトのように、複数の情報源を統合することで、被災者のための迅速な支援体制を構築するのに役立ちました。

マッシュアップを支援するシステムも存在します。例えば、米国のYahoo!が提供していたYahoo! Query Language (YQL)やYahoo! Pipesは、ウェブ上のデータを取得・加工・統合するためのツールとして広く利用されました。これらのツールを使うことで、プログラマーだけでなく、非プログラマーでも比較的簡単にマッシュアップを作成することができました。

マッシュアップは、ウェブの世界におけるイノベーションを促進する重要な要素の一つであり、既存の情報を新たな視点で組み合わせることで、様々な可能性を生み出します。その柔軟性と多様性から、今後も様々な分野での活用が期待されています。


関連事項

アプリケーションプログラミングインタフェース (API): ソフトウェア同士が情報をやり取りするための規約
Webサービス: ウェブ上で提供されるサービス全般
ビッグデータ: 大量のデータのこと
ポータルサイト: ウェブサイトへの入り口となるサイト

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