マッチプレー

マッチプレーとは

ゴルフの競技形式には主にマッチプレーとストロークプレーがあり、特にマッチプレーは選手間の直接対決に重きを置いた形式です。この競技スタイルでは、2人または2組が対戦し、各ホールでストローク数の少ない方がそのホールを獲得する形をとります。つまり、勝者はホールごとに決まり、その累積でゲーム全体の勝敗が決まります。

マッチプレーの仕組み

マッチプレーでは、例えばプレーヤーAとプレーヤーBが対戦しているとします。第1ホールでAがBよりも少ないストロークでプレイした場合、このホールはAの勝ちとなります。この時、Aは「1アップ」となり、Bは「1ダウン」と表現されます。

もし両者が同じストロークだった場合は「オールスクエア」または「イーブン」と呼ばれます。この「アップ」や「ダウン」は試合全体の勝敗差を示し、たとえばAがBに対し3勝2敗であった場合でも、最終的には「1アップ」となるのです。

この制度の下では、プレーヤーが残りのホール数を逆転する方法が制約されることがあり、これを「ドーミーホール」と言います。すなわち、もしAが3アップ、残り2ホールの状況であれば、Bが逆転するためには残りのすべてのホールに勝たなければなりません。

試合は、片方のプレーヤーが逆転不可能な場合に終了となります。勝者のアップ数と残ホール数はスコアとして記録され、例えばAが5アップで残り4ホールの時は「5 and 4」と表示されます。また、全ホールをオールスクエアで終えた場合は、サドンデス形式の延長戦が行われます。

コンシードとギブアップ

マッチプレーでは、ホールごとの勝敗が重要であるため、総ストローク数の多少は問題になりません。このため、相手のボールが次のストロークで入ると見込まれる場合には、プレーヤーは「コンシード」という形でそのホールを譲ることがあります。この際、日本では「OK」と声をかけることが多く、そのため「OKパット」という言葉がよく使われます。逆に、明らかに逆転できない場合はそのホールを「ギブアップ」とすることもできます。

実例

例えば、プレーヤーAが15ホールを終えた時点で4アップ、残り3ホールでBが逆転不可能な状況になった場合、ここでプレーは終了となり、Aの勝利が確定します。この場合のスコアは「4 and 3」となります。

主要な大会

マッチプレー形式は多くの著名な大会でも採用されており、例えばライダーカップ、プレジデンツカップ、ソルハイムカップなどがあります。また、ボルボ世界マッチプレー選手権やデルテクノロジーズ・マッチプレーも有名です。日本国内でも、プロゴルフマッチプレー選手権やネスレインビテーショナル、日本プロゴルフマッチプレー選手権レクサス杯、ISPSハンダマッチプレー選手権といった大会が開催されています。

このように、マッチプレーは競技者間の直接対決が魅力の形式であり、戦略性や心理戦が非常に重要となる競技スタイルです。

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