マッド・シーズン

マッド・シーズン (Mad Season)

マッド・シーズンは、1990年代のシアトル・グランジシーンを代表するバンド、パール・ジャム、アリス・イン・チェインズ、スクリーミング・トゥリーズのメンバーによって結成されたスーパーグループです。それぞれのバンドで活躍していたメンバーが集まり、1994年にサイドプロジェクトとして始動しました。

バンドの歴史

パール・ジャムのギタリスト、マイク・マクレディがリハビリ施設でジョン・ベイカー・ソーンダースと出会ったことがきっかけで、このプロジェクトは始まりました。二人はシアトルに戻り、スクリーミング・トゥリーズのドラマー、バレット・マーティンを迎え、バンドの原型を築きます。その後、マクレディが友人のレイン・ステイリー（アリス・イン・チェインズ）をボーカルとして迎え、主要メンバーが揃いました。

1995年3月、マッド・シーズンは唯一のアルバム『Above（邦題：生還）』をリリース。アルバムからのファースト・シングル「River of Deceit（邦題：リヴァー･オブ･ディシート(偽りの河)）」はラジオでヒットし、アルバム自体もゴールド・ディスクに認定されるなど、商業的な成功を収めました。

しかし、メンバー間のスケジュールの都合や、ステイリーの薬物依存の問題などから、バンドは1996年に活動を休止。1990年代後半にはステイリー抜きでの活動再開も試みられましたが、1999年にジョン・ベイカー・ソーンダースが薬物過剰摂取で死去。その後、ステイリーも2002年に薬物過剰摂取で亡くなり、バンドは事実上解散となりました。

その後、マーティンとマクレディは2度、一時的にバンドを再結成し、2013年には『Above』のリマスター版と未発表曲を収録したボックスセットが発売されました。

音楽性

マッド・シーズンの音楽性は、各メンバーが所属していたバンドの要素を融合させたものです。グランジを基調としながらも、ジャズやブルースの要素も取り入れられています。ステイリーの歌詞は、彼の個人的な苦悩やスピリチュアルなメッセージが込められており、特にカリール・ジブラーンの著書『預言者』から強い影響を受けています。

メンバー

レイン・ステイリー (ボーカル、リズムギター): アリス・イン・チェインズ
マイク・マクレディ (リードギター): パール・ジャム
ジョン・ベイカー・ソーンダース (ベース)
バレット・マーティン (ドラム): スクリーミング・トゥリーズ
マーク・ラネガン (ボーカル): スクリーミング・トゥリーズ

ディスコグラフィー

Above (1995)

マッド・シーズンの遺産

マッド・シーズンは、短い活動期間ながらも、90年代のロックシーンに大きな影響を与えました。メンバーの才能が集結した音楽性はもちろんのこと、彼らの抱える苦悩や葛藤が反映された歌詞は、多くの人々の共感を呼びました。バンドのメンバーの相次ぐ死は悲劇でしたが、彼らの音楽は今もなお、多くの音楽ファンに愛され続けています。

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