マツダ映画社

株式会社マツダ映画社について

株式会社マツダ映画社（マツダえいがしゃ）は、日本国内でサイレント映画に特化した貴重な映画制作会社です。東京都足立区に位置し、1960年代から活動を開始しました。約1,000作品、6,000巻を超えるフィルムを所有し、サイレント映画の保存と再発掘に取り組んでいます。

設立の背景と初代代表

マツダ映画社の設立は1952年で、その創業者である松田春翠は、戦後の日本においてサイレント映画の復興に情熱を注ぎました。彼は1947年に復員後、活動弁士としての職務を兼ねて、失われたフィルムの蒐集を始めました。次第に彼は、映画に対する深い愛情と強い使命感を持つようになり、1952年に株式会社マツダ映画社を立ち上げました。

会社の活動と影響

設立から数年後の1959年、松田は「無声映画鑑賞会」を設立し、初代会長に就任しました。この団体は定期的にサイレント映画の上映会を開催し、機関紙『活狂』を発行するなど、サイレント映画の普及に寄与しました。

会社は1977年にはオムニバス映画『噫活弁大写真』を制作し、1979年にはサイレント映画の劇映画『地獄の蟲』を監修したほか、1980年にはドキュメンタリー映画『阪妻 - 阪東妻三郎の生涯』を手がけました。マツダ映画社は市川崑監督の作品にも協力し、多くの名作に関与しています。

事業の進展と出版活動

1987年には、二代目松田春翠が亡くなるまで、会社はその活動を続けました。その後2001年からは、無声映画鑑賞会とアーバン・コネクションズが協力し、サイレント映画に関する書籍の出版が始まります。

また、2007年にはデジタル・ミームとの協力により、マツダ映画社が所有するフィルムを元にした「Talking Silents」シリーズのDVDがリリースされるなど、新たな形でのサイレント映画の普及を目指しています。

フィルモグラフィとビブリオグラフィ

マツダ映画社が手掛けた作品には、1977年の『噫活弁大写真』や1979年の『地獄の蟲』などがあります。また、特に活動弁士としての松田春翠が製作・演出した作品は、サイレント映画を語り継ぐ重要な資料となっています。

出版活動においても、国立国会図書館に収蔵された書籍において、無声映画に関する貴重な情報が取り纏められています。特に2001年発行の『活動弁士 無声映画と珠玉の話芸』や、その後も続くシリーズは、映画史を学ぶ上で欠かせない書籍として評価されています。

結語

株式会社マツダ映画社は、サイレント映画における日本の文化的遺産の保存と普及に貢献し続けています。長年の努力と情熱により、独自のフィルムアーカイブを有し、映画ファンや研究者からも高く評価されています。今後もその活動が続くことが期待されています。

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