マティアス・ハビッヒ

マティアス・ハビッヒ（Matthias Habich）

マティアス・ハビッヒは、1940年1月12日に現在のポーランド、当時はドイツ領だったダンツィヒに生を受けた、ドイツを代表する俳優です。幼少期をドイツ北部の都市ハンブルクで過ごし、現在はフランスの首都パリを拠点として活動しています。

経歴

アビトゥーア（ドイツの大学入学資格試験）に合格後、ハンブルク国立音楽・演劇高等専門学校で演技の基礎を学びました。更なる研鑽を積むため、1966年には短期間ながらパリ国立高等音楽・舞踊学校で学び、その後はアメリカに渡り、伝説的な演技指導者であるリー・ストラスバーグのもとでメソッド演技に触れました。

ドイツ（当時の西ドイツ）に帰国後は、クール、バーデン＝バーデン、バーゼル、ヴッパータール、チューリッヒ、ミュンヘンといった国内各地の主要な市立劇場で、精力的に舞台俳優として経験を重ねました。その確かな演技力は次第に評価を高めていきます。

1973年、テレビ映画『Die merkwürdige Lebensgeschichte des Friedrich Freiherrn von der Trenck』で初めて主役を演じ、大きな注目を集めました。これを機に映像作品への出演が増え、その後は多数の映画やテレビドラマに登場。その出演本数は優に70本を超え、ドイツ映画界、テレビ界にとって欠かせない存在となります。

特に、1997年および1998年には、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督のテレビ映画『Das Urteil』での演技が高く評価され、ドイツの権威あるテレビドラマ分野の主演男優賞を連続して受賞するという快挙を成し遂げました。長年にわたる功績が称えられ、2009年にはドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章しています。

国内外の様々な監督のもとで、歴史劇から現代劇、さらには国際的な共同製作作品まで、幅広いジャンルの作品に出演し、深みのある演技で多くの観客を魅了し続けています。

主な出演作品

彼の長いキャリアの中で、特に知られている出演作品の一部を以下に挙げます。

『とどめの一発』（1976年、フォルカー・シュレンドルフ監督）
『愛の瞬間（とき）』（1988年、レア・プール監督）
『ギュンター・グラス/女ねずみ』（1997年、マルティン・ブッフホルン監督）※テレビ映画
『スターリングラード』（2001年、ジャン＝ジャック・アノー監督） - フリードリヒ・パウルス役として、追い詰められるドイツ軍最高指揮官を演じました。
『名もなきアフリカの地で』（2001年、カロリーネ・リンク監督） - アカデミー外国語映画賞を受賞した本作にも重要な役で出演しています。
『NERO ザ・ダーク・エンペラー』（2004年、ポール・マーカス監督） - 古代ローマの哲学者セネカ役を務めました。※テレビ映画
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』（2004年、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督） - アドルフ・ヒトラーの主治医、ヴェルナー・ハーゼ役として、終末期の地下壕での緊迫した人間模様を演じました。
『愛を読むひと』（2008年、スティーヴン・ダルドリー監督） - 国際的な話題作である本作にも出演しています。
『エネミーズ・ゾーン』（2009年、ランスロ・フォン・ナッソ監督）※日本劇場未公開
『ヒマラヤ 運命の山』（2010年、ヨゼフ・フィルスマイアー監督）
『生きうつしのプリマ』（2015年、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督）
『ベルリン・シンドローム』（2017年、ケイト・ショートランド監督）

これらの作品リストからもわかるように、マティアス・ハビッヒは歴史上の人物から現代の一般人まで、幅広い役柄を見事に演じ分ける実力派俳優として、長年にわたり第一線で活躍し続けています。

外部リンク

allcinema: マティアス・ハービッヒ
KINENOTE: マチアス・アビッシュ
KINENOTE: マティアス・ハービッヒ
[IMDb]]: [Matthias Habich

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