マティアス&マキシム

マティアス&マキシム（Matthias & Maxime）

『マティアス&マキシム』は、2019年に公開されたカナダのドラマ映画。監督はグザヴィエ・ドラン。長年の友情で結ばれた二人の男性が、予期せぬ出来事をきっかけに、互いへの感情に戸惑い、葛藤する姿を描いた作品。

ストーリー

マティアスとマキシムは、幼い頃から共に過ごしてきた親友同士。ある日、友人の妹が制作する自主映画への出演を依頼され、軽い気持ちで引き受ける。しかし、その映画で二人はキスシーンを演じることになり、それを境に二人の関係は微妙に変化していく。友情と愛情の間で揺れ動く二人は、それぞれの感情に戸惑い、葛藤し、苦悩する。監督自身がマキシム役を演じ、繊細な感情を見事に表現している。

キャスト

マティアス: ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス
マキシム: グザヴィエ・ドラン
リヴェット: ピア＝リュック・フランク
ブラス: アントワーヌ・ピロン
フランク: サミュエル・ゴチエ
シャリフ: アディブ・アルクハリデイ
リサ: カトリーヌ・ブリュネ
サラ: マリリン・キャストンゲ
フランシーヌ: ミシュリーヌ・ベルナール - マティアスの母
マノン: アンヌ・ドルヴァル - マキシムの母
マカフィ: ハリス・ディキンソン

製作の背景

2018年1月、グザヴィエ・ドラン監督が新作映画『Matt & Max』の製作を発表。ドラン自身とアンヌ・ドルヴァルが出演することも明らかにされた。その後、ピア＝リュック・フランクとミシュリーヌ・ベルナールがキャストに加わり、タイトルも『Matthias & Maxime』に変更された。主要撮影は、2018年8月15日にカナダのケベック州で開始。同年11月には、ハリス・ディキンソンが撮影に参加していたことが明かされた。2019年10月には、サウンドトラックが発売されている。

公開とマーケティング

2019年5月22日、第72回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、注目を集めた。日本では、少女漫画『溺れるナイフ』とのコラボポスターが制作されたが、その内容が同性愛を軽視するものとして批判を浴び、配給会社が謝罪、ポスターは取り下げられるという騒動があった。

評価

批評家からの評価は賛否両論あり、映画批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家支持率61%、平均点6.15/10となっている。グザヴィエ・ドラン監督の過去作と比較して、緊迫感があると評価する声もある一方、観客を苛立たせる要素もあると指摘されている。トロント国際映画祭では、「2019年のカナダ映画トップ10」に選出されている。

ヘテロウォッシュ騒動

『溺れるナイフ』とのコラボポスター騒動は、映画の主役男性同士を『溺れるナイフ』の男女キャラクターに置き換えたものであったため、SNSを中心に同性愛を軽視する行為であるとして批判を浴びた。配給のファントム・フィルムは謝罪文を公表し、ポスターを取り下げたが、その謝罪の内容が傷つけられた当事者ではなく『溺れるナイフ』の作者に配慮しているかのようなものだったため、さらに波紋を呼んだ。この騒動は「ヘテロウォッシュ」の一例として指摘されている。

外部リンク

公式ウェブサイト（日本語）
マティアス&マキシム - allcinema
マティアス&マキシム - KINENOTE
* Matthias & Maxime - IMDb（英語）

もう一度検索