マティチョン

『マティチョン』（タイ語: มติชน）は、1978年1月9日にカンチャイ・ブンパーンによって創刊されたタイ語の日刊新聞です。マティチョン・グループの中核企業であるマティチョン社によって発行されており、タイ国内において重要な報道機関としての役割を果たしています。

歴史

創刊以来、マティチョンはタイの政治、経済、社会、文化など幅広い分野のニュースを報道し、タイ国民に情報を届け続けてきました。2005年には、タイの大手エンターテイメント企業であるGMMグラミー社（タイ語: จีเอ็มเอ็ม แกรมมี่）がマティチョン社に対して敵対的買収を仕掛けましたが、最終的には両社間で和解が成立し、マティチョンの独立性が守られました。この出来事は、タイのメディア業界における企業の合併や買収の動きの中で、重要な事例として注目されました。

近年の報道

2019年4月1日には、日本政府が新元号「令和」を発表したことを、タイの多くのメディアと同様に『マティチョン』も速報で伝えました。タイ王室と日本の皇室との間には深い繋がりがあり、タイ国民も日本の皇室に関心を寄せているため、このニュースはタイ国内で大きく報道されました。『マティチョン』は、「日本政府が新たな元号『令和』を発表し、5月1日から使われる」と報道し、内閣官房長官であった菅義偉氏が発表した際の写真を掲載しました。

2020年3月16日には、新型コロナウイルス感染症が世界的にパンデミックとなる中で、在タイ日本国大使館の梨田和也特命全権大使が、タイ国内で日本人に対する風評被害が頻発している状況を受け、タイ人の理解を求める手紙を『マティチョン』に掲載しました。この手紙は、タイの読者に対して、新型コロナウイルス感染症に対する正しい理解を促し、日本人に対する偏見をなくすことを目的としていました。この出来事は、国際的なパンデミックという危機的な状況において、メディアが果たす役割の重要性を示す一例となりました。

特徴

『マティチョン』は、タイ国内のニュースだけでなく、国際ニュースも幅広く報道しており、タイ国民がグローバルな視点を持つ上で重要な役割を担っています。また、タイ語での報道を通じて、タイ国内の読者に対してわかりやすく情報を伝えている点も大きな特徴です。オンライン版も提供しており、デジタルメディアを通じて多くの読者にアクセスされています。マティチョンは、タイのジャーナリズムの発展に貢献し続けている新聞です。

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